共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2026年3月

成長期に形成される骨形態異常・マルアライメントと将来の運動器疾患との関連の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H03346
体系的課題番号
JP21H03346
配分額
(総額)
17,160,000円
(直接経費)
13,200,000円
(間接経費)
3,960,000円

本年度の研究では,筋骨格が未成熟なラットを用い,免荷による後肢へのメカニカルストレスの減少が,1)大腿骨形態,2)膝関節アライメント,3)膝関節機械的特性に及ぼす影響を調査した.4週齢の雌性ラットに後肢懸垂を2,4,8週間実施し,以下の実験を行った.
1)では,X線CT撮影画像を用い,大腿骨幾何学形態への影響を調査した.後肢懸垂により,大腿骨近位では,頚部前捻角(Anteversion angle: AVA)が増加した.大腿骨遠位では,外側顆部(Lateral condyle: LC)では成長が抑制された一方で,内側顆部(medial condyle: MC)には成長に影響を及ぼさなかった.滑車角(Trochlear angle : TA)は,成長に伴い生じる外方から内方への傾斜が,後肢懸垂により抑制された.AVA,LC,MC/LC, TAの間には強い相関が認められた.
2)では,膝関節アライメントに及ぼす影響を調査した.後肢懸垂により,大腿骨に対する膝蓋骨の傾斜角度(Patellar Tilt Angle)は外方に傾斜し,脛骨粗面-滑車溝間距離(TT-TG)により脛骨の外旋が示された.加えて,膝蓋骨の側方変位の指標であるBisect offsetは,膝蓋骨の外方への移動を示した.
3)では,膝関節全体および前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament: ACL)における機械的特性への影響を調査した.万能試験機を用い,後肢懸垂後の膝関節弛緩性(Joint laxity),ACLのstiffnessおよび破断強度を調査した.その結果,4-8週間の後肢懸垂により,いずれの機械的強度の指標も変化し,関節弛緩性が出現することが示された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H03346
ID情報
  • 課題番号 : 21H03346
  • 体系的課題番号 : JP21H03346

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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