論文

2020年3月

局所浸潤麻酔時に破折注射針が上顎歯肉に迷入した1例

滋賀県歯科医師会雑誌
  • 三上 正樹
  • 渡邊 翔太
  • 寺村 哲
  • 浅田 泰幸
  • 村上 翔子
  • 野井 将大
  • 山元 貴弘
  • 服部 愛彦
  • 越沼 伸也
  • 町田 好聡
  • 山本 学
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8
開始ページ
7
終了ページ
11
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)滋賀県歯科医師会

歯科診療時、口腔周囲組織への偶発的な医原性異物の迷入として破折注射針がある。破折注射針の迷入は9割が下顎孔伝達麻酔時に起こるとされており、局所浸潤麻酔時に起こることは非常に少ない。今回、局所浸潤麻酔時に破折注射針が上顎歯肉に迷入した1例を経験したので報告する。患者は50歳代の男性で、2019年4月中旬に近在歯科医医院にて上顎右側第二大臼歯抜去の際に、浸潤麻酔用注射針が破折し、上顎歯肉内に迷入したため、当科を紹介され受診した。全身麻酔下に、迷入した浸潤麻酔針(31G・12mm)を摘出した。本症例では上顎右側第二大臼歯の抜去にあたり注射針を基部まで挿入し、ねじりと折り曲げの動作を加えたため、基部に応力が集中し注射針が破折したと推察された。短い針を使用し浸潤麻酔を行う場合は、基部まで挿入せず、曲げ角度や回数には十分注意することが重要であることを再認識した。今回、局所浸潤麻酔時に破折注射針が上顎歯肉に迷入した1例を経験したので報告する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 2187-7416
  • 医中誌Web ID : 2020264593

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