論文

2018年3月

口腔がん早期診断における細胞診の有用性の検討

滋賀県歯科医師会雑誌
  • 奥田 哲史
  • ,
  • 森 敏雄
  • ,
  • 渡邊 裕加
  • ,
  • 村上 翔子
  • ,
  • 野井 将大
  • ,
  • 足立 健
  • ,
  • 越沼 伸也
  • ,
  • 町田 好聡
  • ,
  • 山本 学

6
開始ページ
8
終了ページ
11
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)滋賀県歯科医師会

口腔がんは視覚的に発見が容易であるとされているが、見逃されれば重篤な転帰を辿ることは周知の事実である。そのため、早期発見、早期診断が重要であることは言うまでもない。今回、われわれは2014年4月から2017年5月までの3年2ヵ月の期間に滋賀医科大学医学部附属病院歯科口腔外科にて細胞診を施行した390例を対象に臨床統計学的検討を行った。その結果、細胞診を施行した390例中137例(35.1%)には同時に組織診を行っていた。この137例中30例(21.9%)に悪性所見を認めた。この30例のパパニコロウ分類を行った結果は、Class I:0例、Class II:4例、Class III:15例、Class IV:2例、Class V:9例であった。細胞診の結果、悪性の疑いがないとされるClass IIと診断されたものの組織診では悪性腫瘍と診断された症例が4例認められた。病理組織標本と併せて検討を行った結果、これは擦過法か穿刺吸引法の細胞採取法の選択および手技に原因があると考えられた。細胞診でClass IV、Vと診断された症例は組織診により病理組織学的に診断された結果も全例において悪性腫瘍であり、細胞診の正診性は高いと考えられた。組織診で悪性所見が認められたにも関わらず、細胞診ではClass IIと診断された症例が4例認められたが、その割合は低く、口腔がん検診において細胞診を施行する意義は高い。また、口腔細胞診は簡便で、患者への侵襲が少なく、口腔がんのスクリーニングの1つとして有用であると考えられた。(著者抄録)

リンク情報
URL
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ID情報
  • ISSN : 2187-7416
  • 医中誌Web ID : 2018250674

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