共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

ミトコンドリアDNAヘテロプラスミーの制御は敗血症の治療ターゲットになるか?

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K09293
体系的課題番号
JP20K09293
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究では、インフラマソーム依存性敗血症におけるへテロプラスミーの役割を解明すると共に、ヘテロプラスミーの制御因子同定と機序解明を目的とする。ヘテロプラスミーを制御する因子および機序を同定することは、敗血症のみならずmtDNA変異が関与する多くの難治性疾患の新たな治療標的の発見につながる可能性もあり重要性の高いものである。上記目的のもと、本研究は以下の3つの研究より成り立っている。計画1.mtDNA変異の蓄積が敗血症モデル(マウスおよび細胞)に及ぼす影響を検討。計画2.ミトコンドリア融合がヘテロプラスミーおよび敗血症モデルに及ぼす影響を検討。計画3.MFN1により制御される遺伝子の同定と、それらのヘテロプラスミーへの影響を検討。
令和3年度の主な研究成果は以下の通りである。
① マクロファージ細胞におけるミトコンドリアネットワークの解析のため、共焦点レーザー顕微鏡を使用したLive cell imageの実験系を立ち上げた。MFN1ノックアウト(Mfn1 KO)細胞においては、コントロール(mfn1 WT)細胞に比してミトコンドリアの著明な断片化をみとめ、ミトコンドリアのネットワーク構成が認められなかった。
② マウス敗血症モデル(盲腸穿孔腹膜炎モデル:CLP)を用いた動物実験において、はMfn1 KOマウスのCLP後のインフラマソーム依存性炎症性サイトカインIL-1βの血液中濃度について検討した。CLP処置後、血漿中のIL-1βの濃度はMfn1 KOマウスにおいてMfn1 WTマウス群に比して有意に上昇していた。
③ MFN1によるヘテロプラスミーの制御機序を分子レベルで解明するための網羅的遺伝子解析の計画においては、マウスDNAサンプルの抽出および保存を終了した。現在RNAシークエンスの分析を行っているところである。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K09293
ID情報
  • 課題番号 : 20K09293
  • 体系的課題番号 : JP20K09293