講演・口頭発表等

2019年12月

敗血症性ショックを呈した気腫性腎盂腎炎に対し後腹膜鏡下腎摘除術を施行し、救命した1例

長崎医学会雑誌
  • 松田 剛
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  • 大庭 康司郎
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  • 河田 賢
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  • 郷野 すずな
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  • 中西 裕美
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  • 光成 健輔
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  • 松尾 朋博
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  • 望月 保志
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  • 宮田 康好
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  • 酒井 英樹

開催年月日
2019年12月 - 2019年12月
記述言語
日本語
会議種別
主催者
長崎医学会

症例は71歳、男性。糖尿病を原疾患に血液透析を導入されていた。39度の発熱にて前医受診、前立腺部に圧痛があり急性前立腺炎として抗生剤加療されたが解熱しないため腹部CTを施行したところ、左腎実質内にガス像を認め、気腫性腎盂腎炎と診断した。抗生剤を変更するも改善しないため手術目的に当院へ転院となった。転院翌日に敗血症性ショックとなり、救命目的に後腹膜鏡下左腎摘除術となった。Gerota筋膜が周囲と癒着しており、難渋したが腎摘除できた。手術時間3時間49分、出血量772mlで明らかな合併症はなかった。術直後は、血圧維持とCHDFを要したためICUで治療を受けた。翌日、人工呼吸器を離脱し、昇圧剤も不要となった。抗生剤を継続し、術後21日目で転院となった。その後抗生剤使用なく経過している。気腫性腎盂腎炎に対する治療方針に、明らかなコンセンサスはないが、迅速な手術により、救命し得る可能性があることが示唆され、治療方針決定に関して若干の文献的考察を加えて報告する。(著者抄録)