2008年5月12日、中国四川省ぶん川県を震源とするマグニチュード8.0の地震が発生し、国際緊急援助隊(JDR)医療チーム(以下、JDR)が救助隊チームに続いて四川省に派遣された。医療チームは四川大学華西医院で活動を開始した。病床数4,300床の大規模大学病院ICU内で、JDR看護師が現地の看護師と協働することとなった。JDR看護師は人手が不足している災害急性期のICUの患者に合併症が存在していることに気がついた。JDR看護師が、患者の予後を左右する合併症の問題に取り組むには現地スタッフとの協働が必要であった。外部からの支援者が被災地に入り効果的に活動をするには、信頼と相互理解を含んだ関係構築が絶対的に必要である。今回の活動において、JDR看護師は看護ケアの実践を通して現地スタッフとの間に短期間に相互理解と信頼関係を構築して救援活動をすることができた。(著者抄録)