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Feb, 2021

地域歯科口腔保健の現状と課題 公衆衛生モニタリング・レポート委員会口腔保健分野 活動総括

日本公衆衛生雑誌
  • 三浦 宏子
  • 福田 英輝
  • 加藤 一夫
  • 竹内 倫子
  • 渡邉 功
  • 小島 美樹
  • 上林 宏次
  • 芝田 登美子
  • 田野 ルミ
  • 玉置 洋
  • 橋本 由利子
  • 埴岡 隆
  • 村松 真澄
  • 本橋 佳子
  • 森田 学
  • 尾崎 哲則
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Volume
68
Number
2
First page
83
Last page
91
Language
Japanese
Publishing type
Publisher
日本公衆衛生学会

目的 公衆衛生モニタリング・レポート委員会口腔保健分野での2015年以降のモニタリング活動で得られた成果・知見を体系的に整理し、今後の歯科保健活動の推進に資する資料として提示する。方法 公衆衛生モニタリング・レポート委員会口腔保健分野のグループ活動の年次報告内容を中核として、2015年以降のライフステージ別の地域歯科保健情報を整理するとともに、分野横断的課題として市販製剤を活用した歯科保健と医科歯科連携に基づくたばこ対策の動向について文献等を追加収集して分析した。結果 乳幼児・小児期における「う蝕」の有病状況は低減傾向にあった。その一方で、わが国の小児における歯・口腔の健康格差に対する具体的な対策に関しては、フッ化物応用以外はいまだ十分なエビデンスは報告されていなかった。成人期・高齢期の課題である「歯周病予防」「オーラルフレイル予防」「要介護高齢者の口腔管理」のいずれにおいても、そのニーズは一貫して増加していた。歯周病は生活習慣病のリスク要因のひとつであり、喫煙とも密接な関連性を有する。しかし、地域保健における歯周病対策は十分ではなく、有病状況について改善されていなかった。超高齢社会の新しい概念であるオーラルフレイルは、2017年以降に学術報告数が急増し、社会での周知が急速に進んだ。在宅要介護高齢者への口腔管理は、ニーズに見合った提供が十分なされておらず、地域包括ケア推進の観点からも更なる改善が求められる。効果が高い新規の歯科予防製剤の動向は、歯科におけるセルフケアの向上に大きく寄与する。高濃度フッ化物配合歯磨剤は、医薬部外品として広く市中で販売されるようになるとともに、フッ化物洗口剤も2019年9月に第3類医薬品に移行した。一方、歯科からアプローチするたばこ対策の有用性はWHO報告書でも指摘されたが、「たばこ対策」に取り組んでいる歯科診療所はいまだ十分ではなかった。結論 地域歯科口腔保健に関連する課題はライフステージの影響を受けるため多様であるが、その課題解決のためには、歯科専門職以外の関連職種との連携が不可欠なものが多かった。公衆衛生モニタリング・レポート委員会での口腔保健グループの活動においても、さらに分野横断的なモニタリング活動が必要であることが示唆された。(著者抄録)

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ID information
  • ISSN : 0546-1766
  • eISSN : 2187-8986
  • Ichushi Web ID : 2021148879

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