わが国の年間抜歯本数と抜歯治療を受けた患者数(抜歯者数)について、主原因別の状況を推計することを目的とした。第2回抜歯原因調査(日本歯科医師会および8020推進財団、2018年)、第4回NDBオープンデータ(厚生労働省保険局、2019年)およびわが国の人口推計(総務省、2018年)を用いて1年間の抜歯状況を推計した。その結果、2017年度の人口千人対抜歯者数は80人であった。抜歯の主原因別にみた人口千人対抜歯者数は、歯周病30人、う蝕23人、破折14人の順であり、抜歯本数についても同様の順序を示した。年齢階級別に抜歯者数をみると、歯周病と破折はともに増齢とともに増え続け、75〜79歳でピークを示した。また、う蝕による抜歯は、25〜29歳と80〜84歳で2つのピークが示された。(著者抄録)