2014年3月
症例を読む(第37回) おのおの異なる病態を示したLesch-Nyhan variantsの3兄弟
高尿酸血症と痛風
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- 巻
- 22
- 号
- 1
- 開始ページ
- 80
- 終了ページ
- 83
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)メディカルレビュー社
19歳男。17歳頃から年に数回足母指関節の疼痛発作が出現していたが、自然軽快するため放置した。同部位に疼痛が出現し、血清尿酸値の高値が判明したが、自然軽快した。再び左足母指に疼痛発作が出現し、血清尿酸値の著明な上昇を認めた。兄、弟もともに高尿酸血症の内服加療を受けていることより遺伝性の素因を疑った。著明な高尿酸血症をきたし、左足母指関節の疼痛は反復する痛風関節炎と考えた。eGFR値からも年齢に比し軽度の腎機能低下を疑った。随時尿による尿酸クリアランスより尿酸産生過剰型と考え、フェブキソスタットを開始した。痛風関節炎を発症することなく、血清尿酸値は安定している。若年性、家族性に発症していることより先天性プリン代謝異常症を疑い、兄、弟、母親とともに遺伝子検索を行った。本症例を含む兄弟3人について、HPRT部分欠損症と最終診断した。母親でも同一の変異ゲノムを認め、保因者と考えられた。
- ID情報
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- ISSN : 0919-5491
- 医中誌Web ID : 2014144629