2018年4月 - 2021年3月
管空内DLCコーティングによる細径人工血管開存率向上の試み
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本年度は、酸素付加DLC(カルボキシル基付加DLC;C-DLC)を人工血管にコーティングすることに成功した。C-DLCコーティング成膜法については特許申請を行った。
さらに、開発したC-DLCに対する血液適合性を検査した。タンパク付着のSDS-PAGE分析による網羅的解析を施行した。通常のePTFEと、従来のDLC、C-DLCの間で比較検討した。ほぼすべてのタンパクバンド領域で、タンパクの付着量は 通常ePTFE < DLC < C-DLC であった。C-DLCは親水性があきらかに向上していることから、検査前は血栓形成性は一番低い物と考えていたが、このバンドによると、フィブリノーゲンもアルブミンもともに付着しやすいことになり、必ずしもC-DLCの血液適合性が一番良いとは言えない状況であると考えられた。この結果をうけ、大動物への植え込みの前に、In-Vitroでの血液適合性、特にタンパク付着について、さらに詳しく調べる予定としている。また、In-Vitroでは高額な大動物による試験の前に、Ratを用いて、血栓形成性をみるIn-Vivo での実験を試行した、ラットの大腿動静脈を露出し、サーフロー針でカニュレーションし、点滴ラインで動脈脱血、静脈送血を行い、途中に、ePTFE人工血管を間置し、血液を20分人工血管内を還流させた。そうすると、驚くことに、血栓の付着は一見して明らかに、Non coating < DLC < C-DLC であった。従来の親水性や平滑性がよければ、血栓形成性に有利という結果と逆の結果であり、表面ゼータ電位、表面エネルギーなどが関与している物と思われ、工業的分析も必要と思われた。
さらに、開発したC-DLCに対する血液適合性を検査した。タンパク付着のSDS-PAGE分析による網羅的解析を施行した。通常のePTFEと、従来のDLC、C-DLCの間で比較検討した。ほぼすべてのタンパクバンド領域で、タンパクの付着量は 通常ePTFE < DLC < C-DLC であった。C-DLCは親水性があきらかに向上していることから、検査前は血栓形成性は一番低い物と考えていたが、このバンドによると、フィブリノーゲンもアルブミンもともに付着しやすいことになり、必ずしもC-DLCの血液適合性が一番良いとは言えない状況であると考えられた。この結果をうけ、大動物への植え込みの前に、In-Vitroでの血液適合性、特にタンパク付着について、さらに詳しく調べる予定としている。また、In-Vitroでは高額な大動物による試験の前に、Ratを用いて、血栓形成性をみるIn-Vivo での実験を試行した、ラットの大腿動静脈を露出し、サーフロー針でカニュレーションし、点滴ラインで動脈脱血、静脈送血を行い、途中に、ePTFE人工血管を間置し、血液を20分人工血管内を還流させた。そうすると、驚くことに、血栓の付着は一見して明らかに、Non coating < DLC < C-DLC であった。従来の親水性や平滑性がよければ、血栓形成性に有利という結果と逆の結果であり、表面ゼータ電位、表面エネルギーなどが関与している物と思われ、工業的分析も必要と思われた。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K08733
- 体系的課題番号 : JP18K08733