共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

補体活性化の妊娠高血圧症候群の病態への関与 -補体系と血管新生系のクロストーク-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K09618
体系的課題番号
JP20K09618
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

補体異常活性化と妊娠高血圧症候群の病態との関連が注目されている。妊娠高血圧症候群の病態メカニズムの中心である母体の抗血管新生状態と、補体異常活性化の二つのメカニズムの関連を基礎的に検討し、抗血管新生状態と補体異常活性化を協調して制御する重要性を示すことを目的にしている。本年度は昨年度に続いて、血管内皮細胞障害における、血管新生系との補体系の関連の検討を行った。また実際の妊婦血清を用いて、補体の活性化状態の評価を行った。
ヒト血管内皮のモデルとしてHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)を用いて、HUVECにPlGF添加によりHUVECからの補体活性化抑制因子であるCFHの分泌が増加することを示し、血管新生因子が補体活性化の制御能を持つことを示唆した。また、補体活性化抑制因子であるCFHをSiRNAの導入によりCFHの発現が低下させると、HUVECでの生細胞数の減少が示され、補体活性化が血管内皮障害に至るメカニズムの一端を示した。
また、HUVECにPlGF およびsFlt1および妊婦血清を添加すると、補体の最終活性産物であるC5b-9のHUVECへの沈着が増加しており、抗血管新生因子による補体活性の増加のメカニズムの一端が示された。
次に実際の妊婦血清を用いて、蛍光免疫染色でC5b-9のHUVECへの沈着を評価した。正常妊婦血清と比較して妊娠高血圧症候群を発症した妊婦血清では、C5b-9のHUVECへの沈着が多い傾向を認めている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K09618
ID情報
  • 課題番号 : 20K09618
  • 体系的課題番号 : JP20K09618