共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

腸管グルカゴンの機能及び糖新生器官としての腸管の役割の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K16137
体系的課題番号
JP17K16137
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

膵及び膵外グルカゴンの発現の確認に、プログルカゴン遺伝子のプロモーター下に蛍光蛋白Venus(YFP)を発現するマウス(mGlu Venusマウス)を用いた。
膵外グルカゴンが存在する臓器として、プログルカゴン遺伝子が多く発現している腸管に着目した。対照群として正常耐糖能mGlu Venusマウス、糖尿病モデルマウスとしてmGlu VenusにSTZを投与したmGlu Venus LD-STZ、mGlu Venus HD-STZを用いた。膵、胃、小腸を摘出後、酸エタノール法でタンパクを抽出し、受容体を介した方法を用いてグルカゴンを測定した。LD-STZは血糖値が上昇する前に各臓器を摘出し、測定に用いた。
LD-STZの膵及び胃のグルカゴンは正常耐糖能マウスと同程度であったが、HD-STZでは正常耐糖能マウスよりも高値であった。小腸に関しては正常耐糖能マウスよりLD-STZ、HD-STZのグルカゴンは共に高値であった。
今回グルカゴン測定に用いた受容体を介した方法ではグルカゴンとオキシントモジュリンは同等の反応性を示しているため、グルカゴンとオキシントモジュリンを区別することができない。今回糖尿病モデルとして用いたSTZマウスで増加した腸管グルカゴン量の増加の一部はオキシントモジュリンである可能性は否定できない。
グルカゴンとオキシントモジュリンは共にpro-glucagonから生成されるが、前者はPC2、後者はPC1/3によってスプライシングされるという点が異なる。単離した腸上皮細胞にYFP陽性細胞が存在していることをフローサイトメトリーで確認している。そこでグルカゴンとオキシントモジュリンを区別するため、今後フローサイトメトリーで解析したYFP陽性細胞を回収し、発現しているタンパクを解析する必要性があると考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K16137
ID情報
  • 課題番号 : 17K16137
  • 体系的課題番号 : JP17K16137