共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

高時間分解能In-situ XRD測定系構築による高温変形中の微細組織変化の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05063
体系的課題番号
JP20K05063
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

高温変形中の弾塑性変形挙動を明らかにするため、SPring-8放射光において高温ガスフロー加熱による試料加熱を行いながら引張変形中のIn-situ XRD測定系を確立し、純アルミニウムおよびAl-Cu合金を対象として実験を行った。試験温度は室温から300℃において行った。純アルミニウムにおいて、試験温度が250℃を超えると転位増殖開始応力が大きく低下することが明らかとなったが、降伏応力は温度上昇とともに徐々に低下したものの、大きな低下は見られなった。また、変形中の転位密度も温度上昇とともに徐々に低下したものの、大きな低下は見られなかった。一方、Al-Cu合金においては、温度上昇によって転位増殖開始応力は徐々に低下したものの、純アルミニウムほど大きな低下は見られず、低下量もCu添加量の増加とともに減少した。また、変形中の転位密度は純アルミニウムと同様、温度上昇とともに徐々に低下したものの、大きな低下は見られなかったが、Cu添加量の増加によって変形中の転位密度も増加した。
時効処理によりナノスケール析出物を分散させたAl-Cu合金についても同様に試験を行い、析出物のサイズが高温変形時における弾塑性変形挙動や転位密度変化に与える影響についても調査を行った。亜時効条件においては、転位密度の1/2乗に比例して塑性変形中の強度が増加することが明らかとなったが、ピーク時効~過時効条件においては転位密度の概ね1乗に比例して強度が増加し、変形メカニズムの違いがあることが示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05063
ID情報
  • 課題番号 : 20K05063
  • 体系的課題番号 : JP20K05063