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2017年2月

TFCC 1B損傷を合併した橈骨遠位端骨折の治療成績 Repair v.s. Non-Repair

日本手外科学会雑誌
  • 友利 裕二
  • ,
  • 南野 光彦
  • ,
  • 小寺 訓江
  • ,
  • 高井 信朗

33
5
開始ページ
647
終了ページ
653
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本手外科学会

掌側ロッキングプレート固定を行った橈骨遠位端骨折に手関節三角線維軟骨複合体(TFCC)1B損傷を合併し,6ヵ月以上経過観察が可能であった48手を後ろ向きに調査し,TFCC 1B損傷を修復した群(R群)30手(男8手,女22手)と,修復しなかった群(N群)18手(男6手,女12手)の治療成績について比較・検討した.橈骨の骨折型はAO分類でR群がA型13手,C型17手,N群がA型6手,C型12手であった.受傷時年齢はR群が平均57歳,N群が平均53歳,経過観察期間はR群が平均11ヵ月,N群が平均14ヵ月であった.X線評価では良好な整復位が得られていたが,尺側部痛,前腕回内抵抗運動時痛,遠位橈尺関節不安定性の遺残はN群が有意に多かった.Modified Mayo Wrist Scoreは両群間に有意差を認めなかったが,N群では疼痛のスコアが有意に低く,成績不良例を2手に認めた.橈骨遠位端骨折の治療ではTFCC 1B損傷を治療するか否かが術後疼痛の残存を左右する要因の一つである.(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 2185-4092
  • 医中誌Web ID : 2017203201

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