2017年4月 - 2023年3月
新たな離散可積分系の導出と逆固有値問題への応用
日本学術振興会 若手研究(B) 若手研究(B)
- 課題番号
- 17K18229
- 体系的課題番号
- JP17K18229
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 3,400,000円
- (直接経費)
- 3,400,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- その他
指定した固有値をもつ行列を作成する問題を逆固有値問題という。逆固有値問題は、作成する行列の性質や形によって難易度が異なる。とりわけ、すべての小行列式が非負である全非負(totally nonnegative, TN)行列の逆固有値問題の解法はほとんど知られていない。
具体的に解を書き下せる非線形方程式を可積分系という。時間変数を離散化した離散可積分系と呼ぶ。代表的な離散可積分系の1つである離散戸田方程式は、3重対角行列の固有値計算法として有名な商差(quotient-difference, qd)法の漸化式と一致する。この発見から、離散可積分系を起源とする固有値計算法がいくつか提案されてきた。
報告者は、離散可積分系と固有値計算法の関係に着目し、離散可積分系に基づく逆固有値問題の解法の定式化に成功している。最近では、離散2次元戸田方程式の簡略化から任意の帯幅をもつ帯TN行列の逆固有値問題の解法を、離散相対論戸田方程式からローラン-ヤコビ行列と呼ばれるジグザグ構造をもつTN行列の逆固有値問題の解法をそれぞれ導出している。
このように、これまで既存の離散可積分系および直交多項式から新たな逆固有値問題の解法を定式化を行ってきた。
2021年度は、既知の離散可積分系および直交多項式以外にも目を向け、ローラン-ヤコビ行列以外のジグザグ構造をもつ行列と対応する直交多項式について検討した。また、時間発展においてTN性を保存するような連続力学系に関する情報を収集し、逆固有値問題の解法への応用を検討した。
具体的に解を書き下せる非線形方程式を可積分系という。時間変数を離散化した離散可積分系と呼ぶ。代表的な離散可積分系の1つである離散戸田方程式は、3重対角行列の固有値計算法として有名な商差(quotient-difference, qd)法の漸化式と一致する。この発見から、離散可積分系を起源とする固有値計算法がいくつか提案されてきた。
報告者は、離散可積分系と固有値計算法の関係に着目し、離散可積分系に基づく逆固有値問題の解法の定式化に成功している。最近では、離散2次元戸田方程式の簡略化から任意の帯幅をもつ帯TN行列の逆固有値問題の解法を、離散相対論戸田方程式からローラン-ヤコビ行列と呼ばれるジグザグ構造をもつTN行列の逆固有値問題の解法をそれぞれ導出している。
このように、これまで既存の離散可積分系および直交多項式から新たな逆固有値問題の解法を定式化を行ってきた。
2021年度は、既知の離散可積分系および直交多項式以外にも目を向け、ローラン-ヤコビ行列以外のジグザグ構造をもつ行列と対応する直交多項式について検討した。また、時間発展においてTN性を保存するような連続力学系に関する情報を収集し、逆固有値問題の解法への応用を検討した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K18229
- 体系的課題番号 : JP17K18229