共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年 - 2016年

マイクロRNA依存性のDNMT1発現制御によるアトピー性皮膚炎の発症機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 奨励研究  奨励研究

課題番号
16H00600
体系的課題番号
JP16H00600
配分額
(総額)
570,000円
(直接経費)
570,000円
(間接経費)
0円

アトピー性皮膚炎発症におけるDNMT1の役割について検討を行った。
私たち研究グループは、これまでにアトピー性皮膚炎患者の末梢血単核球(PBMC)でDNMT1のmRNA発現が健常者に比べて優位に低いことを報告している。今回、アトピー性皮膚炎患者で認められるDNMT1の発現低下が、疾患の発症あるいは病態におよぼす役割について検討を行った。
初めに、DNMT1発現低下が制御するアトピー性皮膚炎特異的な遺伝子群を同定する目的で、アトピー性皮膚炎患者と健常者のPBMCをDNAマイクロアレイ法で解析した。発現遺伝子のクラスタリング解析結果から、樹状細胞の活性化遺伝子群の発現が、アトピー性皮膚炎患者で高いことがわかった。そこで、次に、アトピー性皮膚炎における、樹上細胞の活性化への、DNMT1の関与を調べる目的で、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用いて実験を行った。アトピー性皮膚炎モデルマウスの皮膚および所属のリンパ節から樹状細胞を分離し、DNMT1および活性化関連遺伝子の発現を調べた結果、皮膚の樹状細胞において、DNMT1発現は低下し、活性化因子である、MHCI1および、ケモカインレセプターであるCCR7の発現がコントロールマウスに比べて、優位に高いことがわかった。また、樹状細胞培養実験では、DNMT1の阻害剤を添加することにより、MHCIIおよびCCR7の発現が優位に低下した。これらの結果から、アトピー性皮膚炎において、DNMT1の発現低下は樹状細胞の活性化因子の発現増加に関与することが示唆された。
また、アトピー性皮膚炎患者のPBMCを用いたDNAマイクロアレイ法の解析結果から上流マイクロRNAをデータベースから予測解析を行い、候補マイクロRNAを絞り込んだ。これらのマイクロRNAについてDNMT1発現制御機構への関与について検討を行っている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H00600
ID情報
  • 課題番号 : 16H00600
  • 体系的課題番号 : JP16H00600