症例1:60歳女。嗄声と咽頭痛があり呼吸困難も出現した。両側に重度ポリープ様声帯を認め、吸気時にチェックバルブ様に声門間隙の大部分を閉鎖していた。症例2:57歳女。1年前より嗄声があり、呼吸困難も出現し、両側声帯の著明な瘢痕化および粘膜下血腫を認めた。2症例に対し、マイクロデブリッダーを用いた喉頭微細手術を行った。まず、気管切開施行後に直達喉頭鏡を挿入して喉頭展開し、手術用顕微鏡で視野を確保した。病巣が粗大なためマイクロデブリッダーを用いて病的上皮を含めて病変を切除した。切除断端からの持続的出血はブレードでの吸引により術野の汚染は最小限に保たれ、声帯靱帯および前交連の温存も容易であった。切除後0.025%ボスミン浸潤綿球で止血し、術後10日間の沈黙療法を行い3週後には気管切開孔を閉鎖した。術後1ヵ月には創部の完全な上皮化を認め、音声も社会的に問題のない状態に改善した。