研究ブログ

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Rでbeeswarm、box plotを描く (その2) プロットの色を変える

 解説サイト[1]を参考に、プロットの色を変えてみた。行動解析以外のグラフにも利用できそうである。

Packageをダウンロードしておく。

> install.packages("beeswarm", dependencies = TRUE)

> library(beeswarm)

 

 

 データは、社会的敗北ストレスマウスの社会的相互作用テストのデータを使用する[2]

データを読み込む(Excelのデータをタブ区切り保存したもの)。

ControlChronic Social Defeat Stress MiceCSDS)の社交性スコアSIRSocial Interaction Ratio)である。

 

(1)項目ごとに色を変える。 Control 黒、CSDS 

> dx=read.table("190301 CSDS SIR.txt", header=T)

> dx

     mouse  SIR

1  Control 3.47

2  Control 1.39

3  Control 2.90

4  Control 2.53

5  Control 0.89

6  Control 1.29

7  Control 3.95

8  Control 1.79

9  Control 1.90

10 Control 1.25

11 Control 2.37

12 Control 1.73

13 Control 1.94

14 Control 0.55

15 Control 3.16

16 Control 1.99

17 Control 0.77

18 Control 1.18

19 Control 1.43

20 Control 2.33

21 Control 2.19

22 Control 5.13

23    CSDS 1.25

24    CSDS 3.15

25    CSDS 1.60

26    CSDS 2.00

27    CSDS 0.20

28    CSDS 3.19

29    CSDS 0.97

30    CSDS 4.87

31    CSDS 3.22

32    CSDS 2.14

33    CSDS 1.10

34    CSDS 1.99

35    CSDS 1.64

36    CSDS 0.96

37    CSDS 1.09

38    CSDS 1.19

39    CSDS 1.90

40    CSDS 1.68

41    CSDS 0.93

42    CSDS 3.19

43    CSDS 0.41

44    CSDS 1.47

45    CSDS 0.96

46    CSDS 1.30

47    CSDS 1.29

48    CSDS 0.54

49    CSDS 1.16

50    CSDS 2.03

51    CSDS 0.73

52    CSDS 1.17

 

Beeswarmを描く。colで色を指定する。黒、

> beeswarm(SIR~mouse, data=dx, pch=c(16,16), col=c(1, 2), las=1, tck=0.02, lwd=2, ylim=c(0, 6), yaxs="i", cex=2, ylab="Social interaction ratio")

 

Box plotを重ねる

> boxplot(SIR~mouse, data=dx, xaxt="n", yaxt="n", add=T)

 

 

 

(2)同じ項目内で色分けする。 

色分けの情報をデータに入れておく。CSDS SIR<1青、SIR赤に色分けしてみる。ちなみに、color 1黒、color 2赤、color 4

 

データを読み込む。

> dx=read.table("190301 CSDS SIR color.txt", header=T)

> dx

     mouse  SIR color

1  Control 3.47     1

2  Control 1.39     1

3  Control 2.90     1

4  Control 2.53     1

5  Control 0.89     1

6  Control 1.29     1

7  Control 3.95     1

8  Control 1.79     1

9  Control 1.90     1

10 Control 1.25     1

11 Control 2.37     1

12 Control 1.73     1

13 Control 1.94     1

14 Control 0.55     1

15 Control 3.16     1

16 Control 1.99     1

17 Control 0.77     1

18 Control 1.18     1

19 Control 1.43     1

20 Control 2.33     1

21 Control 2.19     1

22 Control 5.13     1

23    CSDS 1.25     2

24    CSDS 3.15     2

25    CSDS 1.60     2

26    CSDS 2.00     2

27    CSDS 0.20     4

28    CSDS 3.19     2

29    CSDS 0.97     4

30    CSDS 4.87     2

31    CSDS 3.22     2

32    CSDS 2.14     2

33    CSDS 1.10     2

34    CSDS 1.99     2

35    CSDS 1.64     2

36    CSDS 0.96     4

37    CSDS 1.09     2

38    CSDS 1.19     2

39    CSDS 1.90     2

40    CSDS 1.68     2

41    CSDS 0.93     4

42    CSDS 3.19     2

43    CSDS 0.41     4

44    CSDS 1.47     2

45    CSDS 0.96     4

46    CSDS 1.30     2

47    CSDS 1.29     2

48    CSDS 0.54     4

49    CSDS 1.16     2

50    CSDS 2.03     2

51    CSDS 0.73     4

52    CSDS 1.17     2

 

Beeswarmを描く。pwcolを使うと色分けできる。

> beeswarm(SIR~mouse, data=dx, pch=c(16,16), pwcol=as.numeric(color), las=1, tck=0.02, lwd=2, ylim=c(0, 6), yaxs="i", cex=2, ylab="Social interaction ratio")

 


Box plotを重ねる。

>  boxplot(SIR~mouse, data=dx, xaxt="n", yaxt="n", add=T)

 

 



文献など

[1] beeswarmのススメ

https://qiita.com/akP/items/55ae6a047342db6bec18

 

[2] Omata Y, Aoki R, Aoki-Yoshida A, Hiemori K, Toyoda A, Tateno H, Suzuki C, Takayama Y. Reduced fucosylation in the distal intestinal epithelium of mice subjected to chronic social defeat stress. Sci Rep. 2018 Sep 4;8(1):13199.

 

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ストレス抵抗性

 

同じ系統のC57BL/6Jマウスなのに、なぜストレス感受性個体とレジリエント個体に分かれるのか?野生型マウスと遺伝子変異を導入したマウス、あるいは未処理群と処理群による研究を行ってきたが、同一系統マウスにおいて同一条件下の差異にフォーカスするのは社会的敗北ストレスマウスが初めてである。同じC57BL/6Jマウスのなかに、ストレス感受性とレジリエンスを生むメカニズムについての論文を紹介しようと思う。

 

社会的敗北ストレスマウスは、不安行動社交性低下(ターゲットとの接触時間減少)および快感消失(anhedoniaを示す。社会的相互作用テストにより、社交性の低下はターゲットマウスとの接触時間の減少として数値化できる。快感消失については、スクロース嗜好性低下として観察可能である。このようなストレス感受性個体がいる一方で、レジリエント個体も存在する。レジリエント個体では、社交性低下およびスクロース嗜好性の低下が観察されない。なお、不安行動については、レジリエンスは観察されない。

 

ヒトの場合も精神的ストレスに対する感受性、抵抗性には個人差があることから、ストレス感受性個体とレジリエンス個体の差異に注目した研究が行われてきた。報酬系回路は、ドーパミン神経系からなり、腹側被蓋野(Ventral Tegmental Areaから、側坐核(Nucleus Accumbens、海馬、扁桃体などへ投射している。報酬回路の腹側被蓋野ドーパミン神経における遺伝子発現制御および発火パターン、あるいは腹側被蓋野から側坐核への投射がストレス感受性とレジリエンスの違いを生み出していることが示されている。

 

 

(1)BDNFとストレス感受性

側坐核におけるBDNFの発現は、ストレス感受性個体ではコントロールより高く、レジリエント個体ではコントロールと同等である。社会的敗北ストレスマウスでは通常10日連続したストレス負荷を行って社交性低下が観察される(Chronic Social Defeat Stress, CSDS)。1日のみのストレス負荷(Subthreshold Defeat)を行うと社交性は低下しないが、このマウスの側坐核にBDNFを注入すると、社交性低下が観察される。側坐核においてBDNFをノックダウンした場合は社交性は回復しないが、腹側被蓋野でノックダウンした場合は社交性の回復がみられる。さらに、BDNF分泌量の低下するBDNFMet/Met変異マウスは、社会的敗北ストレスを負荷しても、社交性は低下しないことから、腹側被蓋野のBDNF分泌量により、ストレス感受性と抵抗性の違いが生まれる[1, 2]

 

 

(2)Rac1とストレス感受性

Rac1のエピジェネティックな発現制御とRac1によるうつ病関連行動の調節機構が説明されている。側坐核でのRAS-related C3 botulinum toxin substrate 1 (Rac1)の発現は、ストレス感受性個体では、コントロールよりも低く、レジリエント個体ではコントロールとほぼ同じである。Rac1の転写開始点の上流配列をqChIP法により解析すると、ストレス感受性個体では、ヒストンH3のアセチル化が減少する。社会的敗北ストレスマウスの側坐核にHDACの阻害剤MS-275を注入すると、Rac1の発現が回復するとともに、Social Interaction Ratioも上昇した。Rac1の発現はエピジェネティックに制御により低下し、ストレス感受性を増強していることが明らかになった。側坐核でRac1を欠損したマウスに1日のみストレスを負荷すると(microdefeat)、社交性低下がみられ、スクロース嗜好性も低下した。

社会的敗北ストレス負荷は、側坐核のmedium spiny neuronsMSNs)において、Rac1のターゲットであるCofilin陽性の未成熟なスパインの増加を起こす。Rac1の発現低下とスパインの形態異常が明らかにされている[3]

 

 

(3)ΔFosBとレジリエンス

10日間の社会的敗北ストレス負荷によるレジリエント個体でのΔFosBの発現誘導が報告されている。ΔFosBは、ストレス感受性個体、レジリエント個体ともに、側坐核のShell領域で発現が上昇する。レジリエント個体のCore領域において発現が上昇する。側坐核および背側線条体で特異的にΔFosBを発現するトランスジェニックマウスでは、社会的敗北ストレス負荷に対して抵抗性を示し、社交性は低下しない。逆にΔcJunトランスジェニックマウスでは、社交性低下がみられる。

ΔFosBのターゲットのひとつとして、GluR2が挙げられている。GluR2の発現は、レジリエンス個体で高く、CHIPにより、ΔFosBGluR2のプロモーター領域に結合することから証明された。ストレス感受性個体の側坐核で特異的にGluR2を過剰発現させると、社交性低下が回復することが明らかにされた。ΔFosBは、AMPA型受容体のサブユニットであるGluR2を介して、ストレス抵抗性を仲介している[4]

 

 

(4)K+チャネルとレジリエンス

K+チャネルは、静止膜電位の形成や電気的な細胞応答に関わっている。腹側被蓋野のドーパミン神経の活動状態において重要な役割をしている。ストレスによる過活動状態およびうつ病様行動は、K+チャネルの増強により正常化することが可能であることを示した報告をあげる。

 

社会的敗北ストレスマウスの腹側被蓋野のドーパミン神経の発火頻度は、ストレス感受性個体では増加するが、レジリエント個体は変化しない。ストレス感受性個体の腹側被蓋野に内向き整流性K+チャネルKir2.1を過剰発現させると、発火頻度が減少し、Kir2.1 dnを過剰発現させると、発火頻度が増加する。つまり、Kir2.1は神経興奮を抑制している。10日間の社会的敗北ストレス負荷後、ストレス感受性個体の腹側被蓋野でKir2.1を過剰発現させると、社交性は低下しない。Kir2.1 dnを1日のみのストレス負荷(Sub-threshold Defeat)したマウスの腹側被蓋野で発現させると、社交性は低下する[2]

 

KCNQ3は、電位依存性のK+チャネルである。10日の社会的敗北ストレス負荷後、腹側被蓋野ドーパミン神経で、KCNQ3を過剰発現させると、接触時間(社交性)は増加し、スクロース嗜好性も上昇する。また、腹側被蓋野ドーパミン神経の発火頻度は低下する。また、KCNQ3チャネル開口薬であるflupirtineretigabineおよびBMS-204352を社会的敗北ストレスマウスの腹側被蓋野へ注入した場合も、接触時間(社交性)は増加し、スクロース嗜好性は上昇する[5]

 

 

(5)腹側被蓋野ドーパミン神経の活動状態

ストレス感受性個体およびレジリエント個体の腹側被蓋野ドーパミン神経の活動状態の違いについて明らかにされている。過分極活性化電流Ihは、ストレス感受性個体で増加し、レジリエント個体ではさらに増加する。K+currentも同様に増加する。一方で、興奮性は、コントロールに比べてストレス感受性個体では増加するが、レジリエント個体は減少する。ストレス感受性個体は、Ih増加により発火頻度が上昇するが、レジリエント個体は多種のK+チャネルを活性化し、発火頻度を抑えているのではないかと考えられる。

10日間の社会的敗北ストレス負荷後、5日間連続してLamotrigineをストレス感受性個体の腹側被蓋野に注入した場合、発火頻度は減少する。社会的相互作用テストにおける接触時間は増加し、スクロース嗜好性は増加する。IhおよびK+currentはともに増加するが、興奮性は低下し、レジリエント個体と同様な特徴が認められた。

ストレス感受性個体の腹側被蓋野にHCN2を過剰発現させた場合および光遺伝学的に刺激した場合も、接触時間は増加し、スクロース嗜好性は増加した。IhおよびK+currentおよび興奮性についても、レジリエント化が確認できる。レジリエント個体と似た神経活動を誘導する方法が、うつ病治療に有効であることを示している[6]

 

 

(6)ストレス応答を仲介する発火パターンおよび投射

腹側被蓋野のドーパミン神経は、低頻度の持続的な発火あるいは高頻度の一過的な発火パターンを示す。腹側被蓋野ドーパミン神経においてAAVベクターを使用してChR2を発現させ、1日のみの社会的敗北ストレス負荷中に、一過的発火を誘導すると、社交性低下およびスクロース嗜好性の低下がみられるが、持続的発火を誘導した場合は、うつ病様行動は観察されない。1日のみの社会的敗北ストレス負荷後、社会的相互作用テスト実施中に、腹側被蓋野ドーパミン神経の一過的発火を誘導した場合でも、社交性低下およびスクロース嗜好性の低下が見られる。10日間の社会的敗北ストレス負荷によって誘導したストレス感受性と同様な発火頻度の増加、興奮性が認められる。

10日間の社会的敗北ストレス負荷後、24時間以内に発現可能なHSVベクターを用いて、レジリエント個体の腹側被蓋野ドーパミン神経にChR2を発現させる。社会的相互作用テスト実施中に、一過的発火を誘導すると、社交性低下およびスクロース嗜好性の低下が見られる。

逆行性のトレーサーを側坐核に注入し、腹側被蓋野-側坐核の発火頻度をラベルすると、ストレス感受性個体は、コントロールおよびレジリエント個体に比べて、高い発火頻度を示した。側坐核に投射する神経にChR2を発現させ、1日のみの社会的敗北ストレス負荷(Subthreshold Defeat)した後、ChR2を活性化すると社交性低下およびスクロース嗜好性の低下が見られる。一方で、腹側被蓋野-前頭前野内側部の発火頻度は、ストレス感受性個体において減少している。前頭前野内側部に投射する神経にChR2を発現させ刺激しても、社交性低下およびスクロース嗜好性低下は見られない。腹側被蓋野-側坐核の発火頻度が一過的に上昇することで、ストレス感受性が生まれる[7]

 

 

社会的敗北ストレスマウスの腸管では、社会的相互作用において検出されるレジリエンスと対応した変化は見出していない。脳の持つストレス抵抗性のメカニズムやCorticosteroneはストレス感受性個体とレジリエンス個体でともに上昇することから、脳では嘘をつけても、腸は嘘をつけないのではないだろうか。

 

 

文献

[1] Berton O, McClung CA, Dileone RJ, Krishnan V, Renthal W, Russo SJ, Graham D, Tsankova NM, Bolanos CA, Rios M, Monteggia LM, Self DW, Nestler EJ. Essential role of BDNF in the mesolimbic dopamine pathway in social defeat stress. Science. 2006;311(5762):864-8.

 

[2] Krishnan V, Han MH, Graham DL, Berton O, Renthal W, Russo SJ, Laplant Q, Graham A, Lutter M, Lagace DC, Ghose S, Reister R, Tannous P, Green TA, Neve RL, Chakravarty S, Kumar A, Eisch AJ, Self DW, Lee FS, Tamminga CA, Cooper DC, Gershenfeld HK, Nestler EJ. Molecular adaptations underlying susceptibility and resistance to social defeat in brain reward regions. Cell. 2007;131(2):391-404.

 

[3] Golden SA, Christoffel DJ, Heshmati M, Hodes GE, Magida J, Davis K, Cahill ME, Dias C, Ribeiro E, Ables JL, Kennedy PJ, Robison AJ, Gonzalez-Maeso J, Neve RL, Turecki G, Ghose S, Tamminga CA, Russo SJ. Epigenetic regulation of RAC1 induces synaptic remodeling in stress disorders and depression. Nat Med. 2013;19(3):337-44.

 

[4] Vialou V, Robison AJ, Laplant QC, Covington HE 3rd, Dietz DM, Ohnishi YN, Mouzon E, Rush AJ 3rd, Watts EL, Wallace DL, Iñiguez SD, Ohnishi YH, Steiner MA, Warren BL, Krishnan V, Bolaños CA, Neve RL, Ghose S, Berton O, Tamminga CA, Nestler EJ. DeltaFosB in brain reward circuits mediates resilience to stress and antidepressant responses. Nat Neurosci. 2010;13(6):745-52.

 

[5] Friedman AK, Juarez B, Ku SM, Zhang H, Calizo RC, Walsh JJ, Chaudhury D, Zhang S, Hawkins A, Dietz DM, Murrough JW, Ribadeneira M, Wong EH, Neve RL, Han MH. KCNQ channel openers reverse depressive symptoms via an active resilience mechanism. Nat Commun. 2016;7:11671.

 

[6] Friedman AK, Walsh JJ, Juarez B, Ku SM, Chaudhury D, Wang J, Li X, Dietz DM, Pan N, Vialou VF, Neve RL, Yue Z, Han MH. Enhancing depression mechanisms in midbrain dopamine neurons achieves homeostatic resilience. Science. 2014;344(6181):313-9.

 

[7] Chaudhury D, Walsh JJ, Friedman AK, Juarez B, Ku SM, Koo JW, Ferguson D, Tsai HC, Pomeranz L, Christoffel DJ, Nectow AR, Ekstrand M, Domingos A, Mazei-Robison MS, Mouzon E, Lobo MK, Neve RL, Friedman JM, Russo SJ, Deisseroth K, Nestler EJ, Han MH.

Rapid regulation of depression-related behaviours by control of midbrain dopamine neurons. Nature. 2013;493(7433):532-6.

 

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フコシル化

 社会的敗北ストレスマウスの小腸下部粘膜で、フコシル化糖鎖の減少を発表したが、宿主と腸内細菌の共生について、関連する情報をまとめてみた。

 

フコシル化
 フコシル化は、タンパク質、脂質、糖鎖にL-フコースが付加される反応である。フコースは、fucosyltransferaseにより糖鎖に付加される。(α1, 2), (α1, 3), (α1, 4), (α1, 6)転移酵素がある。腸管では、(α1, 2)-fucosyltransferase Fut1およびFut2)の発現が見られる。
 マウスでは、腸管粘膜における糖鎖のフコシル化において、Fut2が主要な役割をしている。小腸および大腸上皮ではLPSに応答してフコシル化が見られるが、Fut2 KOマウスでは減少することが示された[1]。ヒトでは、ゲノムワイド関連解析(GWAS)により、非分泌型FUT2遺伝子型が同定され、クローン病の関連が示されている[2]。非分泌型FUT2による腸内細菌叢の変動は[3]、マウス同様にフコシル化の変化と連動しているのではないかと考えられる。

 

 

フコシル化には、腸内細菌も必要である
 Germ free (GF)マウスの腸管粘膜ではフコシル化は見られないが、腸内細菌を移植すると、フコースが検出されることから、フコシル化に腸内細菌が必要であることが示された。GFマウスに、Conventionally Raised (CR)マウスの腸内細菌を移植した場合でも、Bacteroides thetaiotaomicronを単独で移植した場合でも、フコシル化糖鎖が検出された[4]また、Segmented filamentous bacteria (SFB)GFマウスに移植すると、糞便抽出物に含まれるfucosyl asialo GM1 glycolipidが一時的に増加する[5]

 逆に抗生物質を投与すると、小腸下部で豊富に認められるUEA1 (Ulex europaeus type I agglutinin)が消失することからも[6]、フコシル化に腸内細菌が必要であることが示されている。

 腸内細菌がどのようにフコシル化に関与しているのかについては、大腸上皮細胞においてERK, JNK経路を活性化し、Fut2発現を誘導することが報告されているが、上皮細胞表面の受容体を介しているのかどうかはっきりしていない[7]

 

 

腸内細菌によるフコースの利用
 腸内細菌は、a-fucosidaseにより、腸管粘膜の糖鎖からフコースを遊離させる。エネルギー源として使用するだけでなく、タンパク質、脂質および多糖の修飾に使用している。
 Roseburia inulinivoransは、L-fucoseの代謝に必要な酵素を有しており、L-fucosepropionateおよびpropanolに変換する[8]。その過程で、NADHを生成している。L-fucoseは、代謝経路の材料となるだけでなく、腸内細菌の転写制御においても機能している。Bacteroides thetaiotaomicronの場合、FucRfucoseの代謝に必要な酵素をコードするオペロンの発現を制御しているが、L-fucoseFucRと結合し、InducerあるいはRepressorとして機能している[9]
 Bacteroidesは、L-fucoseを利用して、莢膜多糖および糖タンパク質を修飾する。それらの欠損変異は、野生型と同時にGFマウスに移植した場合、生着が阻害される[10]Bacteroides fragilisの莢膜多糖は、細胞内でglycosyltransferaseおよびfucosyltransferaseによる修飾を受けた後、ペリプラズムにフリップされる。グリコシル化は、Bacteroidesにおいて保存されており、宿主への競合的生着に必要である[11]L-fucoseは、宿主との共生が成立するために重要な成分である。

 

 

文献

[1] Pickard JM, Maurice CF, Kinnebrew MA, Abt MC, Schenten D, Golovkina TV, Bogatyrev SR, Ismagilov RF, Pamer EG, Turnbaugh PJ, Chervonsky AV. Rapid fucosylation of intestinal epithelium sustains host-commensal symbiosis in sickness. Nature. 2014;514(7524):638-41.

 

[2] McGovern DP, Jones MR, Taylor KD, Marciante K, Yan X, Dubinsky M, Ippoliti A, Vasiliauskas E, Berel D, Derkowski C, Dutridge D, Fleshner P, Shih DQ, Melmed G, Mengesha E, King L, Pressman S, Haritunians T, Guo X, Targan SR, Rotter JI; International IBD Genetics Consortium. Fucosyltransferase 2 (FUT2) non-secretor status is associated with Crohn's disease. Hum Mol Genet. 2010;19(17):3468-76. 

 

[3] Rausch P, Rehman A, Künzel S, Häsler R, Ott SJ, Schreiber S, Rosenstiel P, Franke A, Baines JF. Colonic mucosa-associated microbiota is influenced by an interaction of Crohn disease and FUT2 (Secretor) genotype. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011;108(47):19030-5.

 

[4] Bry L, Falk PG, Midtvedt T, Gordon JI. A model of host-microbial interactions in an open mammalian ecosystem. Science. 1996;273(5280):1380-3.

 

[5] Umesaki Y, Okada Y, Matsumoto S, Imaoka A, Setoyama H. Segmented filamentous bacteria are indigenous intestinal bacteria that activate intraepithelial lymphocytes and induce MHC class II molecules and fucosyl asialo GM1 glycolipids on the small intestinal epithelial cells in the ex-germ-free mouse. Microbiol Immunol. 1995;39(8):555-62.

 

[6] Goto Y, Obata T, Kunisawa J, Sato S, Ivanov II, Lamichhane A, Takeyama N, Kamioka M, Sakamoto M, Matsuki T, Setoyama H, Imaoka A, Uematsu S, Akira S, Domino SE, Kulig P, Becher B, Renauld JC, Sasakawa C, Umesaki Y, Benno Y, Kiyono H. Innate lymphoid cells regulate intestinal epithelial cell glycosylation. Science. 2014;345(6202):1254009

 

[7] Meng D, Newburg DS, Young C, Baker A, Tonkonogy SL, Sartor RB, Walker WA, Nanthakumar NN. Bacterial symbionts induce a FUT2-dependent fucosylated niche on colonic epithelium via ERK and JNK signaling. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2007;293(4):G780-7. 

 

[8] Scott KP, Martin JC, Campbell G, Mayer CD, Flint HJ. Whole-genome transcription profiling reveals genes up-regulated by growth on fucose in the human gut bacterium "Roseburia inulinivorans". J Bacteriol. 2006;188(12):4340-9.

 

[9] Hooper LV, Xu J, Falk PG, Midtvedt T, Gordon JI. A molecular sensor that allows a gut commensal to control its nutrient foundation in a competitive ecosystem. Proc Natl Acad Sci U S A. 1999;96(17):9833-8.

 

[10] Coyne MJ, Reinap B, Lee MM, Comstock LE. Human symbionts use a host-like pathway for surface fucosylation. Science. 2005;307(5716):1778-81.

 

[11] Fletcher CM, Coyne MJ, Villa OF, Chatzidaki-Livanis M, Comstock LE. A general O-glycosylation system important to the physiology of a major human intestinal symbiont. Cell. 2009;137(2):321-31

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腸脳相関 〜不安行動、社会行動の調節について

脳腸相関は、双方向的な調節作用である。社会的敗北ストレスマウスを利用して、精神的ストレスによる消化管障害について研究をしているが(左)、精神的ストレスを負荷しなくても、腸内細菌プロバイオティクスおよび大腸炎は、マウスの行動に影響を与えることが知られている(右)。今回は、行動解析により、腸脳相関を検討した文献を集めてみた。




腸内細菌

Germ Free (GF)マウスおよびSpecific Pathogen Free (SPF)マウスの行動を比較することで、腸内細菌と不安行動の関連について明らかにされている。GFマウスは、SPFマウスに比べて、新奇環境下での活動量増加が見られることが、オープンフィールドテストにおいて示されている[1]。また、GFマウスは高架式十字迷路テストにおいて、不安行動が減少すること[2]、社会的行動の発達が抑制されることが報告されている[3]

 

プロバイオティクス

 プロバイオティクスによる抗不安効果も知られている。乳酸桿菌Lactobacillus rhamnosus (JB-1)BALB/Cマウスに投与すると、前頭前野、海馬および扁桃体のGABAB1bおよびGABAAa2受容体の発現レベルを調節され、コルチコステロンレベルおよび不安行動を減少させる。また、求心性の迷走神経を切断すると、JB-1の効果はなくなる[4]。迷走神経が腸管の刺激を中枢へ伝達していると考えられる。

 

大腸炎

腸管炎症により、うつ病行動が引き起こされることが証明されている。Dextran Sulfate Sodium (DSS)投与により大腸炎を起こしたマウスは、不安行動および社会的回避行動が増加することが高架式十字迷路テストおよび社会的相互作用テストにおいて示された[5, 6]。また、Inflammatory Bowel Disease (IBD)患者は、うつ病の発症リスクが高い[7]。マウスおよびヒトともに、腸管のストレスは中枢へ伝達される。

 

 現在のところ、社会的敗北ストレスマウスの小腸下部粘膜において、上皮細胞の糖鎖にフコースを付加する酵素fucosyltransferase 1 (Fut 1) およびFut 2の発現低下を見出している[8]。粘膜のフコース減少により、付着する腸内細菌叢が変動したと考えられる。腸内細菌そのものではなくて、精神的ストレスにより、宿主側の変化に注目したいと考えている。さらには、それらをターゲットとした治療法の開発を検討することが、今後の目標である。

 

 

 

文献

[1] Diaz Heijtz R, Wang S, Anuar F, Qian Y, Björkholm B, Samuelsson A, Hibberd ML, Forssberg H, Pettersson S. Normal gut microbiota modulates brain development and behavior. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011;108(7):3047-52.

 

[2] Neufeld KM, Kang N, Bienenstock J, Foster JA. Reduced anxiety-like behavior and central neurochemical change in germ-free mice. Neurogastroenterol Motil. 2011;23(3):255-64, e119.

 

[3] Desbonnet L, Clarke G, Shanahan F, Dinan TG, Cryan JF. Microbiota is essential for social development in the mouse. Mol Psychiatry. 2014;19(2):146-8. 

 

[4] Bravo JA, Forsythe P, Chew MV, Escaravage E, Savignac HM, Dinan TG, Bienenstock J, Cryan JF. Ingestion of Lactobacillus strain regulates emotional behavior and central GABA receptor expression in a mouse via the vagus nerve. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011;108(38):16050-5. 

 

[5] Hassan AM, Jain P, Reichmann F, Mayerhofer R, Farzi A, Schuligoi R, Holzer P. Repeated predictable stress causes resilience against colitis-induced behavioral changes in mice. Front Behav Neurosci. 2014;8:386. 

 

[6] Nyuyki KD, Cluny NL, Swain MG, Sharkey KA, Pittman QJ. Altered Brain Excitability and Increased Anxiety in Mice With Experimental Colitis: Consideration of Hyperalgesia and Sex Differences. Front Behav Neurosci. 2018;12:58.

 

[7] Walker JR, Ediger JP, Graff LA, Greenfeld JM, Clara I, Lix L, Rawsthorne P, Miller N, Rogala L, McPhail CM, Bernstein CN. The Manitoba IBD cohort study: a population-based study of the prevalence of lifetime and 12-month anxiety and mood disorders. Am J Gastroenterol. 2008;103(8):1989-97. 

 

[8] Omata Y, Aoki R, Aoki-Yoshida A, Hiemori K, Toyoda A, Tateno H, Suzuki C, Takayama Y. Reduced fucosylation in the distal intestinal epithelium of mice subjected to chronic social defeat stress. Sci Rep. 2018;8(1):13199.

 

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RでTukey HSD test

 現在の研究所に来てから、R version 3. 4. 1 [1] を使い始めたのだが、以前使用していた統計解析ソフトJMPが使用できなくなったのがそのきっかけ。3種類のマウス皮膚のBarium濃度についてRTukey HSD testをやってみた。

 

# Hairless Wild (WT)

# Hairless 242 RET Tg (242)

# Hairless 304 RET Tg (304)

242304は色素沈着の見られるトランスジェニックマウス



Excelのデータをタブ区切りテキストで保存する。

Rと同じ作業ディレクトリでないとダメ)

 

データを読み込む。

> dx=read.table("barium.txt", header=T)

 

データを確認できる。

> dx

   mouse       Ba

1     WT  0.0

2     WT  0.0

3     WT  0.0

4     WT  0.0

5    242 13.5

6    242 16.7

7    242 49.6

8    242 26.6

9    304 154.4

10   304 175.5

11   304 118.7

12   304 65.4

 

コマンドを打ち込むと結果が表示される。

> fx=factor(dx$mouse)

> vx=dx$Ba

> TukeyHSD(aov(vx~fx))

  Tukey multiple comparisons of means

    95% family-wise confidence level

 

Fit: aov(formula = vx ~ fx)

 

$fx

              diff        lwr       upr    p adj

304-242  101.92372  43.96617 159.88128 0.0021592

WT-242   -26.59702 -84.55458  31.36054 0.4395143

WT-304  -128.52074 -186.47830 -70.56319 0.0004216

 

 

[1] R Core Team (2017). R: A language and environment for statistical computing. R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria. URL https://www.R-project.org/.

 

参考にした解説サイト

[2] R-Tips

http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r.html

 

[3]データ科学便覧

https://data-science.gr.jp/implementation/ist_r_tukey_kramer_test.html

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RでBeeswarm, Box plotを描く

社会的敗北ストレスマウスの社会的相互作用テスト(社交性)の例を紹介します。社会的敗北ストレスマウスは、社会性相互作用テストにおいて、個体差が見られ、ストレス感受性個体とレジリエント個体に分かれます。そこで、No stressNS)Stress Susceptible (SS)Stress Resilient (SR)の3群についてR version 3. 4. 1 [1] を使ってグラフを描きました。

 

(1)パッケージをダウンロードし、Social Interaction Ratioのデータを入力する。

 

> install.packages("beeswarm", dependencies = TRUE)

 URL 'https://cran.ism.ac.jp/bin/macosx/el-capitan/contrib/3.4/beeswarm_0.2.3.tgz' を試しています

Content type 'application/x-gzip' length 43657 bytes (42 KB)

==================================================

downloaded 42 KB

 

 

 ダウンロードされたパッケージは、以下にあります

    /var/folders/52/mqwgf6916b9d49xtkpz12g5c0000gn/T//Rtmp6wnRd5/downloaded_packages

> library(beeswarm)

> NS<-c(3.47,1.39,2.90,2.53,0.89,1.29,3.95,1.79,1.90,1.25,2.37,1.73,1.94,0.55,3.16,1.99,0.77,1.18,1.43,2.33,2.19,5.13)

> SS<-c(0.20,0.97,0.96,0.93,0.41,0.96,0.54,0.73)

> SR<-c(1.25,3,15,1.60,2.00,3.19,4.87,3.22,2.14,1.10,1.99,1.64,1.09,1.19,1.90,1.68,3.19,1.47,1.30,1.29,1.16,2.03,1.17)

 

(2)Beeswarmを描く。

> beeswarm(list(NS, SS, SR), labels=c("NS", "SS","SR"), pch=c(16,16, 16), las=1, tck=0.02, lwd=2, ylim=c(0, 6), yaxs="i", cex=2, ylab="social interaction ratio")

 

pch  プロットのマーカー

las  ラベルの向き、las=1 水平

tck  軸の目盛り、正の値なら内向き

lwd  線の太さ

ylim Y軸の両端の値

yaxs=”i”  X軸との交点を0にする

cex  文字の拡大率、cex=1 標準



(3)Boxplotを重ねる。

> boxplot(NS, SS, SR, xaxt="n", yaxt="n", add=T)

 

xaxt=”n”, yaxt=”n”  軸を描かない







[1] R Core Team (2017). R: A language and environment for statistical computing. R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria.
URL https://www.R-project.org/.

 

参考にした解説サイト

[2] biostatics

https://stats.biopapyrus.jp/r/graph/beeswarm.html

 

[3] R-Tips

http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r.html

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社会的敗北ストレスマウス

 脳と腸は、脳腸相関と呼ばれる内分泌系、神経系を介した双方向性の経路により連動しています。精神的ストレス(社会的敗北ストレス)を負荷したマウスの消化管障害(粘膜の糖鎖修飾の変化など)について研究しています。

 

 社会的敗北ストレスマウスは、オスマウスの縄張り本能を利用したもので、うつ病モデルとして利用されています。Golden SAらにより、プロトコールが発表されています [1]。このプロトコールを若干改変し、使用しています。10分間攻撃させると、外傷がひどくなるため、攻撃時間を5に短縮しました [2]。簡単に説明すると、ICRマウスのホームケージ(左)にC57BL/6Jマウスを侵入させると、ICRマウスはC57BL/6Jマウスを攻撃します(中央)。5分間攻撃させたのち、仕切板の反対側へC57BL/6Jマウスを移し、24時間おきます(右)。翌日ペアを変えて、同様に精神的ストレスをC57BL/6Jマウスに与えます。この作業を10日間繰り返します。



 最初は、C57BL/6Jマウスは、ICRマウスから攻撃を避けるために、逃げ回りますが、数日繰り返すうちに、すぐに前脚をあげ、負けを認めるポーズ(服従)をとるようになります。



 C57B/6Jマウスのうつ病様行動は、ビデオによる行動追跡記録から数値化します。高架式十字迷路テスト(Elevated Plus Maze Testでは、Open arms(側壁なし)とClose arms(側壁あり)の滞在時間により不安行動を評価できます。マウスは側壁のないOpen armsよりも、側壁のあるClose armsの方に長く滞在する傾向があります。社会的敗北ストレスマウスは、コントロールマウスよりも、Open armsの滞在時間は短くなり、逆にClose armsの滞在時間は長くなります。コントロール、ストレスマウスともにn=10あれば十分だと思います。



 社会的相互作用テスト(Social Interaction Testでは、他個体に対する関心度(社交性)を評価します。オープンフィールドの中に、箱(接触面に金網をはってある)を設置し、行動をビデオで記録します。1回目は、箱の中にターゲット(ICRマウス)を入れずに、2回目は、箱の中にターゲット(ICRマウス)を入れて、ターゲットとの接触時間(Interaction Zoneに滞在した時間)を測定します。2回目の滞在時間/1回目の滞在時間を計算します(Social Interaction Ratio)。ストレスマウスでは、Social Interaction Ratioが減少します。ストレス感受性には個体差があり、感受性個体Social Interaction Ratio<1レジリエント個体Social Interaction Ratio1が見られます。n数が少ないと、感受性個体とレジリエント個体に偏りがでた場合、後悔するので、n数を多めに設定し、実験を組んだ方が良いと思います。




 

[1] Golden SA, Covington HE 3rd, Berton O, Russo SJ. A standardized protocol for repeated social defeat stress in mice. Nat Protoc. 2011 Jul 21;6(8):1183-91.

 

[2] Omata Y, Aoki R, Aoki-Yoshida A, Hiemori K, Toyoda A, Tateno H, Suzuki C, Takayama Y. Reduced fucosylation in the distal intestinal epithelium of mice subjected to chronic social defeat stress. Sci Rep. 2018 Sep 4;8(1):13199.


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社会的敗北ストレスによる腸管上皮細胞の糖鎖修飾の変化について

社会的敗北ストレスによる腸管上皮細胞の糖鎖修飾の変化について論文を発表しました。

 

Reduced fucosylation in the distal intestinal epithelium of mice subjected to chronic social defeat stress

Yasuhiro Omata, Reiji Aoki, Ayako Aoki-Yoshida, Keiko Hiemori, Atsushi Toyoda, Hiroaki Tateno, Chise Suzuki & Yoshiharu Takayama

https://www.nature.com/articles/s41598-018-31403-8

 

腸管上皮細胞は、糖鎖を含む粘膜で覆われていますが、糖鎖は腸内細菌の栄養源や付着部位として重要な役割を担っています。糖鎖修飾の変化は、腸内細菌の変化と連動していると考えられます。2019129日開催(つくば国際会議場)のSATテクノロジーショーケースにて発表予定です。

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