2020年4月 - 2023年3月
ニューロン、シュワン細胞、血管内皮細胞の相互解析系によるニューロパチーの病態解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究ではニューロパチーの成因解明を目的として、末梢神経系を構成するニューロン、シュワン細胞、血管内皮細胞の特性や、これら細胞間の相互作用を詳細に解析できる実験系の確立を進めている。今年度は高グルコース環境下におけるヒトおよびマウス血管内皮細胞培養系の代謝変化を解析し、ニューロンやシュワン細胞との比較検討を進めた。
1) 糖尿病性ニューロパチーの病態解明のため、株化マウス血管内皮細胞UV♀2の高グルコース負荷に伴う代謝変化を、株化マウス運動ニューロンNSC-34、株化マウスシュワン細胞IWARS1と比較検討した(日本分子生物学会年会2021)。
2) ヒト血管内皮細胞HAEC、初代培養ラット後根神経節(DRG)ニューロン、株化シュワン細胞IMS32を高グルコース・外因性ピルビン酸欠失環境下に暴露すると、いずれも解糖系-TCA回路を介したATP産生が著しく阻害され、解糖系側副路代謝や酸化ストレスが亢進し、短時間で顕著な細胞死が誘導されることを明らかにした(Sci Rep 2021)。
3) GLP-1受容体作動薬exendin-4 (Ex-4)は初代培養ラットDRG ニューロンや株化ラットシュワン細胞IFRS1に直接作用し、PI3 kinase経路を介して神経突起伸長、シュワン細胞遊走、共培養系における髄鞘形成をいずれも促進することを明らかにした (Int J Mol Sci 2021)。
4) 初代培養ラットDRGニューロン、株化ラットDRGニューロンND7/23、FRS1、DRGニューロンーIFRS1共培養系を用いて、抗がん剤オキサリプラチンの神経毒性メカニズムを明らかにした。またてんかん・パーキンソン病治療薬ゾニサミドのオキサリプラチン神経毒性緩和機序を解析した(日本生化学会大会2021; Society for Neuroscience 2021; 投稿準備中)。
1) 糖尿病性ニューロパチーの病態解明のため、株化マウス血管内皮細胞UV♀2の高グルコース負荷に伴う代謝変化を、株化マウス運動ニューロンNSC-34、株化マウスシュワン細胞IWARS1と比較検討した(日本分子生物学会年会2021)。
2) ヒト血管内皮細胞HAEC、初代培養ラット後根神経節(DRG)ニューロン、株化シュワン細胞IMS32を高グルコース・外因性ピルビン酸欠失環境下に暴露すると、いずれも解糖系-TCA回路を介したATP産生が著しく阻害され、解糖系側副路代謝や酸化ストレスが亢進し、短時間で顕著な細胞死が誘導されることを明らかにした(Sci Rep 2021)。
3) GLP-1受容体作動薬exendin-4 (Ex-4)は初代培養ラットDRG ニューロンや株化ラットシュワン細胞IFRS1に直接作用し、PI3 kinase経路を介して神経突起伸長、シュワン細胞遊走、共培養系における髄鞘形成をいずれも促進することを明らかにした (Int J Mol Sci 2021)。
4) 初代培養ラットDRGニューロン、株化ラットDRGニューロンND7/23、FRS1、DRGニューロンーIFRS1共培養系を用いて、抗がん剤オキサリプラチンの神経毒性メカニズムを明らかにした。またてんかん・パーキンソン病治療薬ゾニサミドのオキサリプラチン神経毒性緩和機序を解析した(日本生化学会大会2021; Society for Neuroscience 2021; 投稿準備中)。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K07773
- 体系的課題番号 : JP20K07773