共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

抗がん剤による末梢神経障害の成因解明と予防・緩和に向けたアプローチ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K07027
体系的課題番号
JP20K07027
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

抗がん剤の副作用として「しびれ、痛み、感覚低下、歩行異常」などの末梢神経障害が出現する頻度は高く、患者のQOL低下の要因ともなり、また難治である。抗がん剤の種類によって、障害される部位が軸索、神経細胞体、髄鞘と大別されるが、そのメカニズムは充分に解明されておらず、成因に基づく根本的治療法も確立されていない。
進行・再発の大腸がんに対して汎用されるオキサリプラチン(L-OHP)は脊髄後根神経節(DRG)内の感覚ニューロン細胞株に直接毒性を示すことが報告されているが、その細胞障害メカニズムは明らかになっていない。本研究では初代培養ラットDRGニューロン、株化DRGニューロンND7/23、株化シュワン細胞IFRS1を用いて、L-OHPによる細胞死誘導機序を解明中である。
一方、末梢神経障害を予防・緩和するサプリメントや漢方薬など使用されているが、いずれも根本的治療法ではなく、予防・緩和に充分な効果を発揮しているとは言い難い。そこで、本研究ではDRGニューロン-IFRS1シュワン細胞共培養にL-OHPを投与することにより、ミエリン構造や神経ネットワークが変性していることを観察し、それらの障害がてんかん・パーキンソン病治療薬ゾニサミドにより軽減されることを確認している。さらに、臨床に応用できる様、ゾニサミドを前投与あるいは同時投与をして末梢神経障害の緩和を想定し検討している。また、シグナル伝達経路の阻害剤を用いて、L-OHPによるDRGニューロン死誘導機序を解析中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07027
ID情報
  • 課題番号 : 20K07027
  • 体系的課題番号 : JP20K07027