共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

小児生体肝移植後のテロメア長によるグラフト肝年齢の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K10522
体系的課題番号
JP17K10522
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

本研究は、小児肝移植後レシピエントの定期肝生検の肝組織を用いて、肝細胞のテロメア長を組織Q-FISH法によって測定し、テロメア長を“グラフト臓器年齢”や“グラフト臓器寿命”の指標にできるかを検討することが目的である。そのためには、まずコントロールが必要である。非肝疾患の剖検例として0-5才の10例の肝臓と、肝移植時にグラフトとして使用せずに残ったドナー肝臓(27-47才)の10例をコントロールとした。現在まで、0-5才10例、27-47才6例の組織Q-FISH法を行い、肝細胞のテロメア長を測定した。また、肝疾患として自己肝温存の胆道閉鎖症10例の肝細胞のテロメア長も参考にすることにし、現在まで、5例に組織Q-FISH法を行い、肝細胞のテロメア長を測定した。今後もコントロールの肝細胞のテロメア長を測定し、正常肝のテロメア長の加齢曲線を明らかにしていく予定である。
また、今後は生体肝移植後症例の肝組織の組織Q-FISH法も開始する方針であり、小児生体肝移植後のテロメア長によるグラフト肝年齢を明らかにしていく予定である。そのためには、グラフト肝のテロメア長の経時的変化を明らかにすることが必要であり、同一症例において、経時的にテロメア長の測定を行う。移植後年度別(移植時、2年、5年10年、15年、20年)に採取された定期肝生検の肝組織を用いて、肝細胞のテロメア長を組織Q-FISH法によって測定する。その結果を基に、ドナー年齢と移植後年度別の測定値の変化を解析することによって、グラフト肝のテロメア長の短縮率を明らかにする。さらに、同一症例において経時的にグラフト肝のテロメア長を測定し、テロメア長の加齢曲線を明らかにする。また、術後免疫抑制状態や術後合併症がグラフト肝のテロメア長に与える影響に関しても明らかにしていく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K10522
ID情報
  • 課題番号 : 17K10522
  • 体系的課題番号 : JP17K10522