MISC

2013年12月

重症鈍的多発外傷に対し、ハイブリッド室に準じた治療戦略で救命に至った1症例

日本救急医学会関東地方会雑誌
  • 田中 裕之
  • ,
  • 石松 伸一
  • ,
  • 大谷 典生
  • ,
  • 望月 俊明
  • ,
  • 宮道 亮輔
  • ,
  • 伊藤 恭太郎
  • ,
  • 三上 哲
  • ,
  • 三谷 英範

34
2
開始ページ
236
終了ページ
238
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本救急医学会-関東地方会

症例は36歳男性で、オートバイで走行中、右折車のフロントに接触し受傷した。高エネルギー外傷との判断で三次救急対応となった。画像所見にて両側血気胸、両側肺挫傷、脾損傷、左腎損傷、膀胱損傷、不安定型骨盤骨折、左足関節粉砕開放骨折と診断した。治療戦略として、開腹術から血管造影へ速やかに移行することが必要であると考え、手術室にX線透視装置C-Armを搬入し開腹術を開始した。脾臓摘出術を行い、Open Abdomenとして終了し、そのまま移動することなく血管造影を施行した。左右内腸骨動脈、左第8/9/10肋間動脈、腎動脈上極枝に対しジェルパートによる塞栓術を施行した。第2病日、第9肋間動脈に対して25%NBCAを用いて塞栓術を施行し、右横隔膜動脈にも25%NBCAで塞栓術を施行したところ、第10病日に完全な閉腹となり、第150病日には神経学的な後遺症もなく退院となった。

ID情報
  • ISSN : 0287-301X
  • 医中誌Web ID : 2014187717

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