論文

査読有り 筆頭著者
2018年7月

ケアマネジャーの訪問看護導入の判断に影響する要因

日本職業・災害医学会会誌
  • 下吹越 直子
  • ,
  • 八代 利香

66
4
開始ページ
276
終了ページ
282
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本職業・災害医学会

目的:本研究ではCMの訪問看護を判断に影響する要因を明らかにすることを目的とした。方法:看護職CM、介護職CMを対象に行ったそれぞれの調査で得られた結果をデータとし、質的帰納的な分析手法を用い、意味のまとまりを再構成し、カテゴリ化した。結果:CMが訪問看護導入を判断した構成要素は<利用者の状況><利用者への必要な支援><ケアマネジャー自身への支援><サービス提供への支援>の4カテゴリで構成された。それらはさらに21サブカテゴリおよび、134コードに再構成された。<利用者の状況>では、利用者の【見守りが必要な行動】【現存している症状】【医療的な処置】【介助が必要な動作】【症状のコントロール】【予測される症状】【時期】の7サブカテゴリで構成され、<利用者への必要な支援>では、利用者およびその介護者へ対して【環境の調整の必要性】【心理面の安定の必要性】【緊急時の対応の必要性】【定期的な観察の必要性】【教育的な支援の必要性】【リハビリの必要性】の6サブカテゴリで構成された。また、<ケアマネジャー自身への支援>では、ケアマネジャー自身の【医療知識の不足】【安心できる利用者への支援】【主治医との関係】【情報の享受】【他者からの勧め】【看護師からのアドバイス】の6サブカテゴリで構成され、<サービス提供への支援>では、【他居宅サービスがサービス提供に安心できる】【看護師の卓越した援助技術】の2サブカテゴリで構成された。結論:CMの訪問看護を導入する判断では、<利用者の状況>や<利用者への必要な支援>の要因だけではなく、<ケアマネジャー自身への支援><サービス提供への支援>のさまざまな要因が複雑に関係し、訪問看護の導入につながっていることが考えられる。CMが訪問看護を導入する判断のアセスメントには、CMのバックグランドやサービス提供への支援をふまえた多面的なアセスメントの視点が影響していることが示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1345-2592
  • 医中誌Web ID : S719580008

エクスポート
BibTeX RIS