基本情報

所属
国立極地研究所 研究教育系 気水圏研究グループ 准教授
総合研究大学院大学 准教授
学位
博士(地球環境科学)(北海道大学)

研究者番号
40451413
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0001-8383-8295
J-GLOBAL ID
201401085379940270
researchmap会員ID
B000235056

外部リンク

研究課題と活動状況:
地球規模の海洋の熱塩・物質循環を駆動しているのは、両極域(主に海氷域)で起こっている高密度水(重い水)の沈み込みであり、これにより大気と海洋中深層との熱・物質交換が行われている。海氷生成の際に吐き出される高塩分水がこの重い水の生成源になっており、海氷生成が主に行われているのが沿岸ポリニヤ(風や海流によって生産された海氷が次々と沖へ運ばれて維持される薄氷域)である。一方で、極域・海氷域は近年の温暖化に非常に鋭敏な海域であり(北極海では最も顕著)、海氷の大きな変動は気候変動と相互にリンクしているだけでなく、重い水の生成量を変えて海洋深層循環まで変えうる潜在力を持っている。しかしながら、海氷分布・海氷生産量・底層水生成量を時空間的に連続して捉える現場観測が極めて困難である事から、マイクロ波センサー等による衛星リモートセンシングは現在でも海氷研究・モニタリングの生命線と言える。これまでの研究では、衛星リモートセンシングと現場観測との組み合わせによって、海氷が近年の温暖化から受ける影響及びそれが気候システムに与える影響について、特に海氷厚及び熱塩収支における海氷の量的な評価の観点から取り組んできた。

今後の研究の進め方:「氷床・海洋相互作用の現場観測研究」
近年の科学の重要課題の一つとして、氷床を暖かい海水が融かし、融かされた氷床からの淡水が全球規模での海の循環を変えるというものがある。これは、地球の海水準の変動に関わる課題で、21世紀の人類の活動にとって、可能な限り高い精度で明らかにしなければならない必要な情報の一つであり、それゆえ近年ホットになってきている研究テーマである。
これまで取り組んできた衛星データによる海氷生産量の見積もりの研究は、研究の進捗と共に定着氷・氷河・棚氷との深い関連性が明らかになり、その発展形の研究課題として氷床・海洋相互作用の現場観測研究の取り組みへと繋がっている。これは衛星観測の検証としての現場観測という意味での研究の発展にもなっている。


論文

  80

MISC

  2

書籍等出版物

  4

講演・口頭発表等

  21

共同研究・競争的資金等の研究課題

  21

学術貢献活動

  18

社会貢献活動

  1

その他

  6