2017年4月 - 2020年3月
環境に流出した放射性核種による外部被ばくと内部被ばくの統合線量評価システムの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究は、生活環境への放射性核種の流出に対して公衆の外部被ばくと内部被ばく線量を算出する統合線量評価システムの開発を目的としている。平成29年度は、人体を詳細に記述した数値模型を開発し、外部被ばくによる各臓器の線量を放射線輸送計算コードPHITSにより解析した。本年度(平成30年度)は、29年度に解析した外部被ばく線量の結果をデータベースとしてまとめ、短時間で環境中の放射性核種に対する外部被ばく線量を評価できるプログラムを開発した。また、放射性核種の吸入による内部被ばく線量の評価プログラムを開発した。
まず、環境(大気、水および土壌)に分布した0.01MeVから8MeVの単色エネルギー光子および電子を放出する線源に対する臓器吸収線量の解析結果を、被ばく条件、評価対象者の年齢および対象臓器に従いデータベース化した。さらに、構築した被ばく線量データベースと国際放射線防護委員会(ICRP)の提供する放射性核種崩壊データベースを参照することで、環境中に分布する特定の放射性核種に対する外部被ばく線量を迅速に評価できるプログラムを完成した。
次に、放射性雲からの降下および土壌沈着後の再浮遊によって大気に浮遊した放射性エアロゾルの吸入による内部被ばく線量を評価するため、エアロゾルの粒径に依存した呼吸気道(鼻道、気管支、肺胞等)における部位別沈着割合をエアロゾルの熱力学的挙動(拡散沈着)と空気力学的挙動(慣性沈着)に基づき解析した。この解析結果に基づき、任意の粒径分布に対応して内部被ばく線量を導出可能な体内動態模型に基づくプログラムを完成した。
まず、環境(大気、水および土壌)に分布した0.01MeVから8MeVの単色エネルギー光子および電子を放出する線源に対する臓器吸収線量の解析結果を、被ばく条件、評価対象者の年齢および対象臓器に従いデータベース化した。さらに、構築した被ばく線量データベースと国際放射線防護委員会(ICRP)の提供する放射性核種崩壊データベースを参照することで、環境中に分布する特定の放射性核種に対する外部被ばく線量を迅速に評価できるプログラムを完成した。
次に、放射性雲からの降下および土壌沈着後の再浮遊によって大気に浮遊した放射性エアロゾルの吸入による内部被ばく線量を評価するため、エアロゾルの粒径に依存した呼吸気道(鼻道、気管支、肺胞等)における部位別沈着割合をエアロゾルの熱力学的挙動(拡散沈着)と空気力学的挙動(慣性沈着)に基づき解析した。この解析結果に基づき、任意の粒径分布に対応して内部被ばく線量を導出可能な体内動態模型に基づくプログラムを完成した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K07017
- 体系的課題番号 : JP17K07017