講演・口頭発表等

2019年9月

顕微ラマン分光分析によるウラン酸化物微粒子の化学状態分析

日本分析化学会第68年会
  • 蓬田 匠
  • ,
  • 江坂 文孝
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  • 高橋 嘉夫
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  • 北辻 章浩
  • ,
  • 宮本 ユタカ

記述言語
日本語
会議種別
開催地
千葉

保障措置分析化学研究グループでは現在、顕微ラマン分光法を用いて、原子力施設で採取された環境試料中に含まれる、ウラン微粒子の化学状態を分析する手法の開発を行っている。マイクロメートル以下の空間分解能を持つ顕微ラマン分光法は一般的に、用いるレーザーの波長を短波長にすればラマン散乱強度が強くなり、空間分解能も向上する。一方、試料から蛍光が発生すると測定妨害となるため、対象物に応じたレーザー波長の選択が重要となる。本研究では、532nmと785nmのレーザーを用いて、二酸化ウラン, 八酸化三ウラン, 過酸化ウランの化学形を持つ微粒子に対する顕微ラマン分光測定を行った。その結果、532nmと785nmのどちらのレーザーを測定に用いた場合もウラン酸化物由来の蛍光は観測されず、それぞれのウラン微粒子のラマンスペクトルを取得できた。また、これらの化学形のウラン酸化物に対しては、測定感度と空間分解能の双方の点で、532nmを用いた測定が優れていることを明らかにした。