講演・口頭発表等

マイクロビームX線吸収分光法によるウラン微粒子の化学種分析

日本放射化学会第64回討論会(2020)
  • 蓬田 匠
  • ,
  • 大内 和希
  • ,
  • 北辻 章浩
  • ,
  • 高橋 嘉夫*

開催年月日
2020年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
豊中(online)
国・地域
日本

福島第一原子力発電所の廃炉作業において、核燃料物質を含んだ微細な燃料デブリの環境中への放出が懸念されている。核燃料物質であるウランは、化学種により水への溶解性が大きく異なる。環境中でのウランの移行挙動を推定する上で、ウランの化学種を把握する必要がある。これまで、粒径数$\mu$m程度のウラン粒子の化学種を、顕微ラマン分光法により分析した報告例があるが、非晶質の物質に対して化学種を判別できない課題があった。そこで本発表では、非晶質の物質に対しても化学種を分析できる、マイクロビームX線吸収分光法を用いてウラン粒子の分析を行い、数$\mu$m程度の大きさのウラン微粒子の化学種の判別が可能かどうかを試験した。約500nm程度に集光したX線マイクロビームを用い、ウランの蛍光X線マッピング分析を行うことによって粒径3$\mu$m程度の二酸化ウラン粒子を検出した。検出した粒子のX線吸収端近傍構造スペクトルを取得した結果、信号雑音比が良く、吸収端やピークトップの位置、吸収端後の微細構造もUO$_{2}$標準試料と一致したスペクトルが得られ、粒径3$\mu$m程度のUO$_{2}$粒子の化学種を正しく判別することができた。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5069707