論文

査読有り
2022年11月

顕微ラマンマッピングによる二酸化ウラン粒子の化学状態分析

KEK Proceedings 2022-2
  • 蓬田 匠
  • ,
  • 北辻 章浩
  • ,
  • 宮本 ユタカ

開始ページ
148
終了ページ
153
記述言語
日本語
掲載種別

保障措置分析化学研究グループでは現在、顕微ラマン分光法を用いて、原子力施設で採取された環境試料中に含まれる、ウラン微粒子の化学状態を分析する手法の開発を行っている。環境中では、長期間の空気曝露によってウラン粒子本来の化学形が一部で変化する可能性があり、粒子全体を分析する手法の開発が必要である。本発表では、大気雰囲気下で長期間保存された二酸化ウランをモデル化合物として分析を行った。顕微ラマンマッピングによって微粒子表面の化学状態を分析したところ、二酸化ウランの他、局所的に過酸化ウランが存在していた。そのため、粒子中心部を分析する点分析では、570cm$^{-1}$や1150cm$^{-1}$付近のUO$_{2}$の構造に由来するラマンピークが観測されない場合があった。一方、ラマンマッピングによって粒子全体のラマンスペクトルを得て平均化する面分析では、同じ粒子から570cm$^{-1}$や1150cm$^{-1}$付近のUO$_{2}$の構造に由来するラマンピークを観測できたため、ラマンマッピング分析が微粒子全体の化学状態を分析する手法として有効であることを実証した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5077572

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