共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

月の観測から暴く超巨大ブラックホールの成長

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K13584
体系的課題番号
JP18K13584
配分額
(総額)
3,250,000円
(直接経費)
2,500,000円
(間接経費)
750,000円

今年度は研究の基礎となる、月とターゲットの食が起こすライトカーブシミュレーションを共同研究者と行った。まずは共同研究者が所有する大量の星のライトカーブデータに対して、太陽系外天体が起こす食によって引き起こされるライトカーブフィッティングから、この食が起こす干渉効果がターゲット天体のサイズを図るのに適することを示すことができた。その初期成果はNature Astronomyに論文として掲載された。今後はこれを我々の次のターゲットである月が起こす食の干渉効果に適用する。その際にはある程度のコードの更新が必要であり、食を起こすある程度明るい月が、背景の暗い天体を通り掩蔽を起こす際にどのようなライトカーブになるかは、背景光源の光度に大きく依存するため、実際にターゲットの典型的なS/Nの範囲でシミュレーションを行い、8mクラス望遠鏡で観測が可能化を吟味する。実際ターゲット天体である近傍のX線選択された活動銀河核については多波長フォローアップが継続中であり、多波長から得られた各天体の特徴は次々とまとめられている。特に赤外線の特徴については理解が進み、X線の観測から実際思われていたよりも、活動銀河核はあまりダストで覆われておらず、しかもそのダストの埋もれ具合は、活動銀河核中心の光度によって変化しないことがわかってきた (Ichikawa et al. 2019a)。また、一部は興味深いことに星生成が弱いにもかかわらず、中心の超巨大ブラックホールへの降着が活発な天体が存在することがわかっており、このようなターゲットのダスト分布を解明することを目指す。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K13584
ID情報
  • 課題番号 : 18K13584
  • 体系的課題番号 : JP18K13584