2019年8月 - 2022年3月
Porphyromonas salivosa線毛の分類と伝播の可能性に関する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
口腔領域の研究においては、ヒトのう蝕原性細菌Streptococcus mutansの伝播は、親密な間柄で生じることが報告されている。しかし、国内外において、ヒトとコンパニオンアニマルとの歯周病関連細菌の伝播に関する研究は少ない。ヒト歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis の菌体表面に存在する線毛は、口腔上皮細胞への付着と侵入に関与し、歯周組織破壊に関与することが知られている。しかし、ネコの歯周病原細菌であるPorphyromonas salivosa (macacae) 線毛の役割は明らかにされていない。そこで、家庭内で飼育されているネコに存在する口腔内細菌と口腔内定着因子である線毛に着目してヒト口腔内細胞への定着とヒト口腔への伝播の可能性と歯周疾患発症原因を明らかにすることを目的とした。ヒト歯周病原細菌のP. gingivalisとネコ歯周病原細菌のP. salivosa の相違点を明らかにし、家族と同様に位置づけられるコンパニオンアニマルとしてのイヌやネコの歯周病原因子としての線毛の分類を行い、最終的に線毛を介する口腔内定着機序とヒト口腔ヘの細菌伝播について研究を進めていきたいと考えている。
Porphyromonas属細菌は、SDS-PAGEによるタンパク質の違いを比較する。その後、線毛タンパク質の比較をするため、菌株間の線毛タンパク質を精製し、分子量や抗原性の違いによる相違を検討する。また、ヒト細胞への付着性は、ヒト歯肉上皮細胞へP. salivosa を60分間作用させて洗浄後、細胞に付着している細菌数を測定する。
Porphyromonas属細菌は、SDS-PAGEによるタンパク質の違いを比較する。その後、線毛タンパク質の比較をするため、菌株間の線毛タンパク質を精製し、分子量や抗原性の違いによる相違を検討する。また、ヒト細胞への付着性は、ヒト歯肉上皮細胞へP. salivosa を60分間作用させて洗浄後、細胞に付着している細菌数を測定する。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K24108
- 体系的課題番号 : JP19K24108