2011年 - 2013年
徐放作用を有する網膜接着糊を用いた網膜剥離および虚血性網膜疾患の治療法
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 23592576
- 体系的課題番号
- JP23592576
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 5,200,000円
- (直接経費)
- 4,000,000円
- (間接経費)
- 1,200,000円
- 資金種別
- 競争的資金
前年度に引き続き、bacteria由来のtransglutaminase (microbial tranglutaminase; mTG)を用いた、新規の網膜接着剤の、基礎的研究を行った。実験的裂孔原性網膜剥離に対し、mTG-gelatinの複合体を塗布したところ、1週間以上の網膜接着効果を示し、結果としてフィブリン糊と同等以上の効果を発揮した。一方、早期の臨床応用を目指し、現在臨床で用いられている粘弾性物質(ophthalmic viscosurgical device; OVD)を用いた基礎実験も並行して行った。OVDはフィブリン糊やmTG-gelatinの複合体に比べ、接着効果は弱いものの、数日間の網膜表面での滞留効果を示し、十分網膜被覆に役立つ可能性があることが示された。またOVDの被覆により、網膜裂孔の閉鎖効果も期待されることがわかり、今後も検討の余地が十分あることが示された。さらに、硬性鏡を用いた網膜周辺部観察法の開発にも着手した。本法は従来、小動物の眼底観察法として用いられてきたものであるが、ヒト眼底周辺部、特に前房隅角から鋸状縁までの従来の機器では観察困難であった領域の診察に威力を発揮することがわかり、臨床研究倫理審査委員会の承認のもと、臨床研究を開始した。網膜剥離術後の眼底観察および詳細な所見の記録に有用であることがわかり、今後もさらに研究を発展させていく予定である。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 23592576
- 体系的課題番号 : JP23592576