2019年4月 - 2023年3月
長距離走者のパフォーマンスにもたらすスプリントトレーニングの効果の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究では、陸上競技長距離走者を対象に、異なる酸素濃度吸気条件下において高強度のバイクトレーニングを実施した場合、条件の違いによってトレーニングによる長距離走者の運動パフォーマンス及び乳酸代謝能の変化に差異があるのかどうかを検討することを目的とした。
対象者は、長距離走者13名であった。対象者を、常酸素吸気群(酸素濃度:20.9%)と低酸素吸気群(酸素濃度:14.4%)とに分け、2週に5回の頻度で6週間、それぞれの条件でトレーニングを実施させた。高強度トレーニングとして、電動式バイクエルゴメータを用いて、体重の7.5%の負荷(kp)で100回転の回転数をできる限り維持させる20秒間の運動を10秒間の休息を挟みながら8回実施させた。トレーニングの前後で、トレッドミルを用いたステップ負荷運動及び漸増負荷運動を実施した。ステップ負荷運動の各ステージ終了後に血中乳酸濃度を測定し、乳酸代謝能として血中乳酸濃度が2及び4mmol/l時の走速度を算出した。漸増負荷運動時の運動持続時間を長距離走者の運動パフォーマンスとした。
トレーニング時の仕事量の総量は、常酸素群の方が低酸素群よりも有意に高くなった。漸増負荷運動時の運動持続時間は両条件とも有意に増加したが、条件間に差異が認められなかった。血中乳酸濃度が2及び4mmol/l時の走速度は、低酸素群において、トレーニングによってそれぞれ有意に増加した。一方、常酸素群においては、4mmol/l時の走速度のみ有意に増加した。
低酸素トレーニングによって、トレーニングの総量が常酸素トレーニングよりも低かったが、トレーニングに伴う乳酸代謝能及び運動パフォーマンス向上には差異が認められなかったことから、低酸素トレーニングではトレーニング量が少なかったとしても常酸素トレーニングと同等に運動パフォーマンス及び乳酸代謝能を高められることが示唆された。
対象者は、長距離走者13名であった。対象者を、常酸素吸気群(酸素濃度:20.9%)と低酸素吸気群(酸素濃度:14.4%)とに分け、2週に5回の頻度で6週間、それぞれの条件でトレーニングを実施させた。高強度トレーニングとして、電動式バイクエルゴメータを用いて、体重の7.5%の負荷(kp)で100回転の回転数をできる限り維持させる20秒間の運動を10秒間の休息を挟みながら8回実施させた。トレーニングの前後で、トレッドミルを用いたステップ負荷運動及び漸増負荷運動を実施した。ステップ負荷運動の各ステージ終了後に血中乳酸濃度を測定し、乳酸代謝能として血中乳酸濃度が2及び4mmol/l時の走速度を算出した。漸増負荷運動時の運動持続時間を長距離走者の運動パフォーマンスとした。
トレーニング時の仕事量の総量は、常酸素群の方が低酸素群よりも有意に高くなった。漸増負荷運動時の運動持続時間は両条件とも有意に増加したが、条件間に差異が認められなかった。血中乳酸濃度が2及び4mmol/l時の走速度は、低酸素群において、トレーニングによってそれぞれ有意に増加した。一方、常酸素群においては、4mmol/l時の走速度のみ有意に増加した。
低酸素トレーニングによって、トレーニングの総量が常酸素トレーニングよりも低かったが、トレーニングに伴う乳酸代謝能及び運動パフォーマンス向上には差異が認められなかったことから、低酸素トレーニングではトレーニング量が少なかったとしても常酸素トレーニングと同等に運動パフォーマンス及び乳酸代謝能を高められることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K19958
- 体系的課題番号 : JP19K19958
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
International journal of sports physiology and performance 16(6) 906-909 2021年3月5日 筆頭著者
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International journal of sports physiology and performance 1-5 2019年10月15日 筆頭著者