2012年3月
当院で経験した、齲歯から波及し下顎骨骨髄炎に至った女児例
練馬医学会誌
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- 巻
- 18
- 号
- 開始ページ
- 75
- 終了ページ
- 78
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)練馬区医師会
3歳女児。右頬部痛および軽度の腫脹を主訴に近医歯科医院を受診、両臼歯齲歯を指摘されたが、本人が治療を嫌がり治療できずにいた。だが約1ヵ月後、痛みが増悪し食事も取れなくなったため近医の小児歯科医院を受診、齲歯の処置は終了されたが、右頬部の腫脹が持続し、骨髄炎に波及した可能性が考慮され、精査加療目的で著者らの施設へ入院となった。所見では頸部超音波検査で両側の上頸部に最大28×12mmまでのリンパ節の腫大が複数認められた。また、頭頸部CTおよびMRIではともに顎下リンパ節の腫大が確認された。以上より、本症例は下顎骨骨髄炎と診断され、治療として経静脈抗菌剤投与PIPC(100mg/kg/day)+CLDM(20mg/kg/day)が行われ、加療から20日後には改善が認められた。以後、骨髄炎の治療には長期的な加療が必要とされ、保護者に対して十分に説明が行われたものの、本児のストレスが強く、退院の希望も強かったことからNFLX(5mg/kg/day)の内服に切り換え退院とした。しかし、退院から2週間経過で再度右頬部痛と腫脹が出現し、炎症所見の上昇がみられた。そこで、再入院後はPIPCからCTRXに変更し、徐々に改善していることを認めてから抗菌治療が継続、炎症所見の残存からCTRXからMEPMに変更した結果、現在まで再発は認められていない。
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2012301735