2019年4月 - 2024年3月
中小規模病院で働く中堅看護師のワーク・エンゲイジメントを高める支援モデルの構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
看護師のワークエンゲイジメントについての文献検討とインタビューを行った。その結果として、ワーク・エンゲイジメントは仕事の資源と個人の資源によってもたらされていた。仕事の資源は、①職務上遂行する仕事そのもの、②仕事を円滑に進めるための他者(上司、同僚など)からの支援であった。個人の資源は有意味感や自己効力感、自尊心など個人の内的な特徴であった。ワーク・エンゲイジメントを高めるためには、これらの資源を充実させるような働きかけが重要である。仕事そのものとは、職務上直接関わる「仕事での明確な役割」、「仕事での成長」や「責任がある仕事」などであった。仕事の資源において、他者である上司からのサポートやフィードバック、同僚からの尊重は重要であることがわかった。仕事の成果を確認することは、仕事に手ごたえや自信と自己成長を感じられるようになり、その結果ワーク・エンゲイジメントを高めることにつながっていた。個人の資源とは、自らを取り巻く環境のなかで発揮される肯定的な自己評価のことであり、その人の内面を表現するものであった。有意味感や自己効力感、自尊心といった肯定的な自己評価は、モチベーションにも影響を与えていた。特に、自己効力感はワーク・エンゲイジメントを高める重要の資源の一つであった。文献検討と上記の結果を踏まえて、中小規模病院の中堅看護師のワーク・エンゲイジメントを高める支援モデル案の素材を検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10718
- 体系的課題番号 : JP19K10718