2019年4月 - 2022年3月
新規炎症応答シグナル経路による細胞極性制御を介した細胞傷害抑制機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究課題では、「上皮バリア機能の破綻を伴う急性肝障害が、新規炎症応答を介した細胞極性制御因子 aPKC の活性により抑制されるか」、 明らかとすることを目的する。
最近、aPKC の活性化は、カルシウム除去により 誘導される培養上皮細胞のTJの消失(破壊)を抑制することを見出し、aPKCの活性制御が上被細胞のTJの制御に重要であると考えられた。aPKCは炎症を主体とした酸化ストレス刺激によって活性化されることをこれまでに報告している(Am J Pathol. 2015, 185:958-68.)。
本年度の解析から、酸化ストレス刺激であるAMVNを低濃度で処理した時、カルシウム除去により誘導される上皮細胞のTJの消失(破壊)が抑制された。この効果は、低濃度のLPS刺激によっても確認された。また、低濃度のLPS刺激によるTJの消失(破壊)抑制効果は、インフラマソームの活性化阻害剤であるカスパーゼ1阻害剤の処理によりその効果が失われた。インフラマソームの活性化はIL-1βの成熟化を起こす。精製標品のIL-1βを処理した上皮細胞においては、同様にTJの消失(破壊)が抑制された。また、低容量のAMVN、LPS処理は、aPKCの活性化を誘導していた。さらに、インフラマソームの活性化について免疫組織化学により検討した。その結果、ASCの細胞内への凝集が観察された。また、ウェスタンブロッティング法による解析から、AMVN、LPS刺激によりNLRP3、カスパーゼ1、IL-1βの発現上昇が確認された。現在、上皮バリア機能の破綻を伴う急性肝障害、炎症性腸疾患モデルマウスを用いて、障害誘導前にLPS投与し、それら障害が抑制されるか検討中である。
最近、aPKC の活性化は、カルシウム除去により 誘導される培養上皮細胞のTJの消失(破壊)を抑制することを見出し、aPKCの活性制御が上被細胞のTJの制御に重要であると考えられた。aPKCは炎症を主体とした酸化ストレス刺激によって活性化されることをこれまでに報告している(Am J Pathol. 2015, 185:958-68.)。
本年度の解析から、酸化ストレス刺激であるAMVNを低濃度で処理した時、カルシウム除去により誘導される上皮細胞のTJの消失(破壊)が抑制された。この効果は、低濃度のLPS刺激によっても確認された。また、低濃度のLPS刺激によるTJの消失(破壊)抑制効果は、インフラマソームの活性化阻害剤であるカスパーゼ1阻害剤の処理によりその効果が失われた。インフラマソームの活性化はIL-1βの成熟化を起こす。精製標品のIL-1βを処理した上皮細胞においては、同様にTJの消失(破壊)が抑制された。また、低容量のAMVN、LPS処理は、aPKCの活性化を誘導していた。さらに、インフラマソームの活性化について免疫組織化学により検討した。その結果、ASCの細胞内への凝集が観察された。また、ウェスタンブロッティング法による解析から、AMVN、LPS刺激によりNLRP3、カスパーゼ1、IL-1βの発現上昇が確認された。現在、上皮バリア機能の破綻を伴う急性肝障害、炎症性腸疾患モデルマウスを用いて、障害誘導前にLPS投与し、それら障害が抑制されるか検討中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K07505
- 体系的課題番号 : JP19K07505