2017年4月 - 2021年3月
誘電泳動を駆使した循環腫瘍細胞検出システムの実用化にむけた基盤技術の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) 若手研究(A)
本研究では,血液中の循環腫瘍細胞を抗原抗体反応や免疫染色等を行わず,ラベルフリーで高感度検出可能な装置の実現に向けて基盤技術の確立を目指している.平成30年度も,前年度と同様に細胞の誘電泳動特性とインピーダンス等の電気的特性の違いによる細胞判別手法を確立するために,下記のデバイス設計及び電磁界解析による評価・検討を行った.
(1) 循環腫瘍細胞を単離かつ誘電泳動特性の測定が可能なエレクトロローテーションピラー電極アレイを試作し,その有用性を確認した.エレクトロローテーションによる特性測定は,4相交流電圧の周波数掃引および,動画像処理による細胞回転速度の自動測定により,自動化・高速化を実現する予定であったが,4相交流電圧の各相の位相差を保ったまま周波数掃引を実現することは困難であった.
(2) 上記(1)の問題点を解決するために,単相交流電界を用いた絶縁体ベース誘電泳動デバイスを試作し,その基礎的評価を行った.上記のデバイスは,クリークギャップ電極形状の絶縁体(SU-8)を有し,その絶縁体の4隅に電極(4重極電極)を配置されており,正・負いずれの誘電泳動でも,絶縁体間を細胞を移動させることができ,その細胞の移動速度より誘電泳動特性を測定することが可能である.
(3) 細胞の電気的特性を高速に測定することが可能なリング共振器を有するマイクロストリップ平行電極の高感度化に関して検討し,負性抵抗素子を採用することでその高Q値化を実現した.
(1) 循環腫瘍細胞を単離かつ誘電泳動特性の測定が可能なエレクトロローテーションピラー電極アレイを試作し,その有用性を確認した.エレクトロローテーションによる特性測定は,4相交流電圧の周波数掃引および,動画像処理による細胞回転速度の自動測定により,自動化・高速化を実現する予定であったが,4相交流電圧の各相の位相差を保ったまま周波数掃引を実現することは困難であった.
(2) 上記(1)の問題点を解決するために,単相交流電界を用いた絶縁体ベース誘電泳動デバイスを試作し,その基礎的評価を行った.上記のデバイスは,クリークギャップ電極形状の絶縁体(SU-8)を有し,その絶縁体の4隅に電極(4重極電極)を配置されており,正・負いずれの誘電泳動でも,絶縁体間を細胞を移動させることができ,その細胞の移動速度より誘電泳動特性を測定することが可能である.
(3) 細胞の電気的特性を高速に測定することが可能なリング共振器を有するマイクロストリップ平行電極の高感度化に関して検討し,負性抵抗素子を採用することでその高Q値化を実現した.
- ID情報
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- 課題番号 : 17H04704