共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2019年3月

動脈硬化診断支援システムの実用化最終段階に向けた実証研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
16H02875
体系的課題番号
JP16H02875
配分額
(総額)
16,120,000円
(直接経費)
12,400,000円
(間接経費)
3,720,000円

心筋梗塞はプラークと呼ばれる冠動脈内の蓄積物が破綻することにより引き起こされる.プラークの破綻を予測するためには,プラークの組織性状(組織成分)を正確に同定する必要がある.申請者らは,血管内超音波信号を各種ソフトコンピューティング手法を用いて解析を行い,プラークの組織性状を判別,その後,その構造を表示する動脈硬化診断支援システム(プロトタイプ・システム)を開発し,従来手法に対する優位性を確立した.本研究では,本プロトタイプ・システムの実用化を目指し,本システムの有効性を実データで実証する.平成30年度では,以下のことを行った.
1.サポート・ベクトル・マシン(Support Vector Machine: SVM) により得られた結果に,分類組織のクラス不均衡性と組織間の実距離を考慮することにより,注目点の組織を再分類する新たな手法を提案した.これにより,冠動脈プラークの組織分類精度がさらに向上した.また,前年度に開発したツリー状構造を持つSVMによる組織性状判別法の有効性を実データで実証した.
2.プラークの組織性状判別に深層学習(Deep Learning)を取り入れ,少ない学習データをDeep Learningの学習に耐え得るようにする新たな学習データの生成法を提案した.また,その有効性を実データで実証し,組織性状の判別精度を向上させた.
3.本年度(研究最終年度)までに開発した様々な手法(HkNN法(信号の特徴および組織の周辺情報を組織分類に取り入れた手法),スパース・コーディング法,カオス・フラクタル法,SVM,Ada Boostによる統合など)の特徴を評価すると共に,それらの手法が機能を発揮する場面などを整理し,研究のまとめを行った.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H02875
ID情報
  • 課題番号 : 16H02875
  • 体系的課題番号 : JP16H02875