2016年4月 - 2020年3月
未利用バイオマスからの高植物度機能性化成品創製プロセスの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
- 課題番号
- 16H01790
- 体系的課題番号
- JP16H01790
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 41,210,000円
- (直接経費)
- 31,700,000円
- (間接経費)
- 9,510,000円
- 資金種別
- 競争的資金
低炭素・循環型社会の実現や自然環境保全のために国内外で大量に発生する未利用植物性バイオマスを原料として高活性水蒸気を用いた新規バイオマス由来化成品(電子基板材料用リグニンエポキシ樹脂、リグニン由来カーボンナノファイバー、セルロースナノファイバーや生理機能性食品素材)の創製と機能性評価を行った。本年度は昨年度に引き続き、水・有機溶媒抽出残渣物(セルロース)の分離精製とセルロースナノファイバーの製造の効率化を試みた。抽出残渣物中にはセルロース以外に少量のリグニンが混在しているので、リグニン除去前後のそれぞれのセルロース試料に対してグラインダー解繊処理を行い、得られたセルロースナノファイバーの特性を比較検討した。すなわち、セルロースナノファイバーの形態変化(直径、長さ)に及ぼす水蒸気処理条件(温度、圧力、蒸煮時間や粉砕処理の有無)、グラインダー処理条件(試料濃度、回転数や処理回数)や塩素酸ナトリウムによる残存リグニン除去の有無の影響を明らかにした。さらに、PLAやPVAに得られたセルロースナノファイバーを種々の割合で添加することにより、添加割合と補強効果の関係を究明した。有機溶媒抽出物(低分子量リグニン)を用いた電子基板材料用エポキシ樹脂の製造については、植物度(バイオマス(ここではリグニン)含有率)が90%以上で、市販の電子基板材料その他成型樹脂材料が持つべき特性を満たすことを目標とした。すなわち、リグニンエポキシ樹脂硬化物(エポキシ樹脂と硬化剤の両方に低分子量リグニンを用いた硬化樹脂)の熱機械特性を測定し、電気機器の基板材料等に使用可能なレベルの特性を持つリグニン分子量や合成方法を決定した。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 16H01790
- 体系的課題番号 : JP16H01790