共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

視聴覚情報の伝搬を制御可能な動的ワークプレイス構築基盤

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)
  • 高嶋 和毅

課題番号
20K21799
体系的課題番号
JP20K21799
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

オフィスは知的生産の源であり,持続的な発展に向けては,ワーカが意欲的に作業に取り組める環境を提供できるかが肝である.今日では,共創が注目され,ワーカ同士のコミュニケーションを促進するために,個室を設けない開放的なオフィス設計が主流である.これは一方で,モニタに情報を出力している間,または会話中に周囲への情報漏洩リスクが高いという課題がある.つまり,現在のオフィス設計は,知的情報処理の場であるにも関わらず,厳密な認証管理にある計算機上のデータとは異なり,情報のアクセス範囲(誰に見せて・聞かせてよいか)を制御する仕組みを持たないという問題がある.ただし,これを解決するためには,“開放的でありながらも閉鎖的でもある”という相反する二つの要件を同時に満たす必要があり,什器や部屋の仕切り等が固定されている現在のワークプレイスの設計思想では解決は困難である.そこで本研究では,空間計測,可視化技術および自律移動什器・ディスプレイ技術を駆使し,オフィス内に物理的に伝搬する視聴覚情報を制御する有効な仕組みを確立する.
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本年度は,自律移動かつ伸縮型のパーティションを作成することにより,オフィス空間内での視覚的情報伝達を制御する方法について具体的なプロトタイプを作成し,プライバシー効果,人の行動負荷などについてユーザスタディを実施して検討を進めた. また,パーティションの考え方は最近では頭部搭載型モニタ(バーチャルリアリティヘッドセット)のカウルにも応用することができるため,バーチャル空間に没入するワーカーの閲覧情報を外部と共有するための新たな情報共有制御法も開発した.それらと並行して,音源を可視化することにより,ワーカの回避行動を促すことにより,適切な音情報伝播環境構築に向けての基礎的なプラットフォームを開発した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21799
ID情報
  • 課題番号 : 20K21799
  • 体系的課題番号 : JP20K21799