基本情報

所属
東北大学 大学院工学研究科 教授
学位
博士(工学)(東京工業大学)

J-GLOBAL ID
201201042484866960
researchmap会員ID
7000000457

外部リンク

受賞

  14

論文

  166

MISC

  255

書籍等出版物

  11

講演・口頭発表等

  50

共同研究・競争的資金等の研究課題

  36

社会貢献活動

  3

その他

  18
  • 2012年4月 - 2012年4月
    高2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,震源地から300km以上も離れた東京湾沿岸埋立地でも広範囲にわたり地盤が液状化し,上屋構造がほとんど無被害であっても建物が傾き,建て替えや補修を余儀なくされた。その要因の一つとして液状化による杭基礎の破壊が挙げられている。これまでの地震動であれば液状化しない地盤であっても,今回の地震動は,継続時間が長く,地盤の間隙水圧比が徐々に上昇し,液状化に至った。さらに,長周期成分が卓越し,高層建築物の上層階では数mの水平振幅を何回も経験した。中低層建築物に比べて,高層建築物ではこのような水平振幅によるP-効果に伴う転倒モーメントが非常に大きく,地下数十mの長さとなる杭基礎には設計時に想定していない曲げモーメントと変動軸力を生じてしまう。 現行の杭基礎の耐震設計では,地盤による杭の水平変形拘束に期待し,杭の曲げ座屈崩壊の可能性は検討されていない。しかし,地盤が液状化し,地盤の水平抵抗が急激に低下すれば,杭基礎は曲げ座屈を生じるため,鉛直支持力を喪失し,上屋構造である高層建築物が倒壊する危険性がある。本研究では,これまで研究事例のない長周期地震動を受ける高層建築物の杭基礎の鉛直支持力の喪失と上屋構造の連鎖的な倒壊現象を実証し,地震動の特性と建築物の被害を予測する。さらに,このような杭基礎の終局耐力設計法を提案する。
  • 2012年4月 - 2012年4月
    一般的な中低層鉄骨ラーメン構造物では,上屋構造の柱,梁に鋼構造部材,基礎梁にRC部材が用いられ,柱脚には埋め込み型柱脚,露出型柱脚等の工法が用いられる。前者の工法は柱脚の回転剛性が高く,柱脚固定に近いため,最下層の水平層剛性が高く,層間変形角が小さくなるものの,上層に比べて柱の脚部と柱頭での作用曲げモーメントのバランスが悪く,脚部の作用曲げモーメントは柱頭に比べて大きくなり,脚部で降伏してしまう。鉄筋の納まり上,基礎梁の断面を大きくするか,基礎梁にハンチを設けなければならない。さらに,鉄骨建て方を基礎梁の工事の前に行わなければならないため,鉄骨部材の製作時間が十分でなく,その間の工事工程が遅れることも少なくない。一方,露出型柱脚は半剛接合となるため,柱頭の曲げモーメントが大きくなるだけでなく,最下層の層間変形も大きくなることから,この層の柱断面を大きくするか,柱脚を弾性固定金物等で基礎梁に緊結し,固定度を上げる必要がある。多くのアンカーボルトが必要となり,厳しい施工精度が要求されるとともに,基礎梁鉄筋との納まりが複雑となる。いずれも,最下層柱の降伏は避けられない。柱梁耐力比が大きければ,梁が柱よりも先行して降伏するものの,塑性変形性能の小さい柱が梁よりも先にその塑性変形限界に達し,耐力低下を起こす2)。軸力の大きい最下層柱で塑性ヒンジ回転量が部材の安定した塑性変形の限界に達し,耐力低下を生じれば,構造物の倒壊に至る可能性がある。E-Defenseによる実大4層鉄骨ラーメン構造物の倒壊実験では,建築基準法に準拠した構造物に1995年兵庫県南部地震JR鷹取駅記録の100%の地震動を入力した際,最下層柱の脚部及び柱頭で局部座屈を生じ,最下層に損傷集中したため,構造物は倒壊した。 そこで,関連論文1)3)4)では図1(c)に示すようにRC基礎梁からRC柱を立ち上げ,上部鉄骨柱と下部RC柱を簡易接合し,鉄骨支点部で地震時の曲げ応力の反曲点とする新しい柱脚機構を提案した。この機構は,柱脚が基礎梁と同様,RC構造であり,高い固定度を有する一方,上部鉄骨柱と下部RC柱の接合はベースプレートによるシアキャップとアンカーボルトの緊結とし,鉄骨柱支点部での回転を許容する。この鉄骨柱支点部には,柱の作用せん断力にはシアプレートで抵抗し,圧縮力とせん断力はRC柱の頂部に設けたシアプレートで伝達させ,軸方向の引張力はアンカーボルトで伝達させる方法とする。鉄骨柱支点部の位置を高さ方向に調節することで,最下層の水平層剛性や柱の曲げ応力を制御できるため,従来の柱脚とは異なり,最下層のRC柱の脚部と鉄骨柱の柱頭の曲げ応力の比を制御できる。これまで,この柱脚機構を有する鉄骨ラーメン構造の耐震限界性能や最下層柱を弾性保持するための柱梁耐力比,鉄骨柱支点部高さ等を明らかにした。 本研究では,鉄骨柱支
  • 2010年4月 - 2010年4月
    本研究では,新しい柱脚支持機構を有する鉄骨ラーメン架構と従来のRC基礎梁に鉄骨柱を剛接した鉄骨ラーメン架構について,保有水平耐力計算法に基づき,架構の初期剛性及び降伏耐力をほぼ同等とし,柱梁耐力比の異なる数種類の鉄骨ラーメン架構を設計する。 最初に従来型の柱脚である露出型,埋め込み型,本研究の提案型の柱脚支持機構をモデル化し,3層,6層,9層の中低層鉄骨ラーメン架構を対象として,構造物が倒壊する大変形領域までの静的増分解析を行う。ここで提案する構造法によれば,架構が完全梁降伏型を形成できることを示す。地震応答解析を行い,柱,梁の履歴吸収エネルギーを算定し,従来の構造法と,ここで提案する構造法について架構の損傷集中を検討する。そして,地震動レベルと部材損傷との関係を明らかにし,架構が完全梁降伏型メカニズムを形成する可能性を検討する。さらに,実構造物の設計・施工を行い,このような構造形式の具現化を試み,実現の可能性を探る。
  • 2010年4月 - 2010年4月
    高層建築物が乱立する都市部埋立地の地盤は極めて軟弱であり,地下数十mにまで達する杭基礎を必要とする。このような細長い杭基礎の耐震設計では,地盤による杭の水平変形拘束に期待し,杭の曲げ座屈の可能性は検討されていない。しかし,激震時に地盤の液状化が生じ,急激に地盤の水平抵抗が低下すれば,水平抵抗を失った杭基礎では曲げ座屈が生じ,さらに杭の鉛直支持力の喪失,上屋構造である高層建築物の倒壊へと展開する可能性がある。本研究では,これまで研究事例のない杭基礎の崩壊による上屋構造の連鎖的な倒壊現象を明らかにし,特に高層建築物の被害を予測する。さらに杭基礎の性能設計法を示し,安全性の高い構造システムを提案する。
  • 2010年4月 - 2010年4月
    制振ブレース架構は従来の梁・柱であるラーメン架構とは異なり,ブレースが安定した履歴曲線を描くことから,架構全体における梁の履歴吸収エネルギーの寄与は必ずしも大きくない。そのため,ラーメン架構と同程度の耐震性能を確保し,地震時に架構全体が安定した挙動となることを保証できれば,梁の損傷を許容した設計も可能となる。 本研究では,制振ブレース架構構面におけるH形鋼梁が軸力を受ける場合の塑性変形性能,累積塑性変形倍率等を明らかにする。その際,架構の層間変形角と梁端の回転角の関係を明らかにし,架構の目標性能に対する梁の要求性能を明らかにする。
  • 2010年4月 - 2010年4月
    主抵抗要素であるブレース材降伏後の二次剛性が二相系構造物の層間変形集中に及ぼす影響と二次抵抗要素である柱材による層間変形集中抑制効果について明らかにした。水平外力を受ける構造物の静的釣合いを仮定し,層間変形集中率の評価式を導く。ブレース材の二次剛性,柱材曲げ剛性や架構の塑性率から架構の層間変形集中率や柱材への作用モーメントの算出式を導いた。 今後,構造物に損傷を及ぼすレベルの強震が作用した場合に,慣性力等の動的効果が上記の構造特性と要求性能との関係に及ぼす影響を明らかにしていく。
  • 2009年4月 - 2009年4月
    柱,梁を全て剛接合した日本型ラーメン構造物が地震時に梁降伏型の損傷メカニズムを形成する場合,優れた耐震性能を発揮するものの,地震後の復旧は困難となる。兵庫県南部沖地震(1995年)では,構造設計どおり梁降伏型の損傷メカニズムを形成した架構でも損傷が著しく,居住者の退去が相次ぎ取り壊しとなった。このように,柱・梁などの構造物全体で地震エネルギーを吸収することで,倒壊は免れるものの地震後の継続使用が困難となる。また,設計では高さ方向の静的地震層せん断力を層せん断力係数の高さ方向の分布Aiを用いて算定するが,地震動により最大層間変形を生じるときの層せん断力分布とは必ずしも相似になるとは限らず,特定層への変形集中、損傷集中を生じる可能性が大きい。 一方,外構面を剛接合ラーメン架構,構造物の内部を軸力支持柱(Gravity Column)とした米国型ラーメン構造物では,地震外力を受ける外構面の剛接合ラーメン架構のみが水平外力に抵抗する。そのため,日本型に比べて梁や柱の断面が部材のせいだけでなく板厚も大きくなってしまう。架構内で損傷が生じ,特定層に層間変形集中が生じようと場合,剛接合ラーメン架構に対して弱軸方向だけでなく強軸に向いている柱もあるが、これらのH形鋼柱が構造体にとっての心棒となり,特定層への変形集中を緩和する効果を有する。このような心棒柱として構造物内の柱や梁全体に損傷が分散され,特定部材に過大な損傷が集中することを防ぐことができる。 本研究では,このような軸力支持柱と呼ばれる冗長部材が鉄骨ラーメン架構の損傷集中抑制効果に及ぼす影響を縮小模型振動台実験及び有限要素法による動的解析により明らかにする。
  • 2009年4月 - 2009年4月
    柱や梁の曲げ剛性と耐力及びその変形性能に期待している鉄骨ラーメン架構に比べて,ブレース付き鉄骨ラーメン架構は構造物全体の剛性と耐力を高めることができ,耐震性能を高めるためには有効であるが,他の架構形式に比べて塑性変形能力やエネルギー吸収性能が低く位置づけられている。本研究では圧縮側ブレースの座屈劣化域を含むブレース付鉄骨ラーメン架構の保有性能と架構の各種構造特性との関係を明らかにする。
  • 2008年4月 - 2008年4月
    単層トラス架構において,構造部材に取り付く非構造部材は耐震設計上,座屈拘束材としての効果は検討されていないものの,非構造部材による座屈拘束が可能となれば,座屈長さの低減を図ることができる。一方で非構造部材が取り付くことにより,耐震設計上想定されていない座屈挙動を示すことが考えられる。本研究では非構造部材による補剛効果の定量的な把握を目的とし,このような部材の座屈挙動の把握及び座屈設計法を提案する。
  • 2008年4月 - 2008年4月
    本研究では,基礎構造をも含む架構の統合的な構造特性に着目し,鉄骨構造物における冗長システムが損傷メカニズム及び倒壊時性能に及ぼす影響を明らかにする。これまで検討されていない構造物が保有する限界性能に着目し,冗長システムの構造性能をパラメータとした倒壊時における耐震性能評価(倒壊時性能)を行う。ここで,冗長システムは応力分散機構と機能回復機構を有する機構とする。地震時には構造物内で応力を適宜分散させ,地震後の構造物の残留変形に対して自己修復能力を付与したシステムを開発する。本研究は,従来の研究の知見を総括する応用研究であるとともに上屋・基礎系鉄骨構造物の倒壊メカニズムを統合的に検討した先駆的な研究である。
  • 2008年4月 - 2008年4月
    これまでに液状化地盤における鋼管杭の保有水平耐力及び塑性変形性能の把握を行ってきた。液状化地盤では,地盤による側方流動や地盤水平反力の低下により上部構造物の自重及び慣性力により生じる偶力等の影響によって杭の軸力が大幅に増加し,曲げ座屈を生じる可能性があることを示すとともに,杭頭支持条件が座屈荷重に大きな影響を及ぼすことが明らかにされた。そして,エネルギー法を用いて,液状化地盤をモデル化した杭の座屈荷重式を提示し,現行の設計指針への適用の可能性を示した。一方,杭に作用するモーメントは,一般的に上部構造物からの慣性力の影響により杭頭で最大となり,鋼管杭の場合杭頭局部座屈を生じる。そのため,杭頭での曲げモーメントを低減させる目的で,半剛接杭の開発が行われ,実用化されているものの,液状化地盤では上記のような不安定現象を引き起こすことから,適用範囲は限定されている。そこで,本研究では,液状化地盤における高靭性鋼管杭の限界状態を明らかにし,その崩壊時性能の向上を目的として杭頭半剛接合杭の開発を行うとともに,設計に適用できる性能評価を行う。
  • 2007年4月 - 2007年4月
    これまでに液状化地盤における鋼管杭の保有水平耐力及び塑性変形性能の把握を行ってきた。液状化地盤では,地盤による側方流動や地盤水平反力の低下により上部構造物の自重及び慣性力により生じる偶力等の影響によって杭の軸力が大幅に増加し,曲げ座屈を生じる可能性があることを示すとともに,杭頭支持条件が座屈荷重に大きな影響を及ぼすことが明らかにされた。そして,エネルギー法を用いて,液状化地盤をモデル化した杭の座屈荷重式を提示し,現行の設計指針への適用の可能性を示した。一方,杭に作用するモーメントは,一般的に上部構造物からの慣性力の影響により杭頭で最大となり,鋼管杭の場合杭頭局部座屈を生じる。そのため,杭頭での曲げモーメントを低減させる目的で,半剛接杭の開発が行われ,実用化されているものの,液状化地盤では上記のような不安定現象を引き起こすことから,適用範囲は限定されている。そこで,本研究では,液状化地盤における高靭性鋼管杭の限界状態を明らかにし,その崩壊時性能の向上を目的として杭頭半剛接合杭の開発を行うとともに,設計に適用できる性能評価を行う。
  • 2007年4月 - 2007年4月
    地震外力等を受ける空間構造物において,通常,非構造部材が構造部材の座屈拘束材として考慮されておらず,架構の耐震性能に寄与していない。 非構造部材は構造部材に比べて,断面剛性及び耐力が小さいものの,補剛材に要求される性能は構造部材の性能の数%程度と小さい。そのため,屋根折板等のように材長方向に連続的に取り付く非構造部材が構造部材に直接取り付く場合,座屈拘束材としての活用は十分考えられる。本研究では,空間構造物において材長方向に連続的に取り付いた屋根折板が,図に示すように偏心補剛材として適用された場合の座屈性状を把握するとともに,非構造部材による拘束効果を考慮した構造部材の座屈長さを提示する。
  • 2006年4月 - 2006年4月
    本研究では,地震外力を受けるせん断抵抗型ブレース構造物の損傷集中の抑制を目的として,架構内に弾性柱材を配置したブレース架構を提案し,その耐震性能を評価する。本架構は,その水平初期剛性及び降伏耐力をブレース材に期待し,ブレース材降伏後の層間変形抑制に柱材が働く機能分離型の架構である。そのため,ブレース材は履歴エネルギー吸収能力に優れた座屈拘束型ブレース材等を想定し,柱材はあくまで架構内でredundancyとして,大地震時においても弾性を保つものとする。米国の構造物では建物の自重のみを支持するgravity columnをこのような柱材として捉えることもでき,耐震性能に対するredundancyとして再評価すべきであるとの考えもある。本研究では,このような架構の耐震性能評価として,1)架構の塑性変形倍率と層間変形集中率との関係,2)層間変形集中を抑制する上で必要とされる柱材の曲げ剛性と曲げ耐力との関係を把握する。
  • 2006年4月 - 2006年4月
    本研究では,地震時の液状化地盤において,上部構造の影響を考慮した鋼管杭の座屈性状として,杭頭移動を伴い,杭頭に任意の回転拘束を受ける鋼管杭の座屈性状を検討する。材端支持条件が鋼管杭の座屈性状に与える影響を把握し,鋼管杭の曲げ座屈による座屈荷重式を提案し,設計基準への準用を検討している。
  • 2006年4月 - 2006年4月
    日本と米国の鉄骨構造物は図1のように架構形式及び使用部材に大きな相違点が考えられる。図2のようなモデル化をして静的解析を行い,架構形式がせん断力・層間変形集中率・変形角にどのような影響を与えるかを検討している。更に様々な実地震波を用いて地震応答解析を行うことによって耐震設計余裕度の検証を行う。
  • 2005年4月 - 2005年4月
    性能設計法の導入に伴い,杭基礎においても塑性変形性能等を明確にし,想定地震動に対して適切な性能を保有する必要がある。しかし,地震時の液状化地盤では杭の曲げ座屈に対する地盤の拘束効果がほとんど喪失するにも関わらず,現行の設計指針では細長比制限等を規定していない。本研究では,高い靭性を有する鋼管杭の適用により,液状化地盤における基礎構造物の耐震性能を確保し,設計法の確立を目的としている。上部構造の自重及び水平変形に伴う偶力による圧縮荷重を受ける鋼管杭の座屈荷重を理論的に求め,数値解析によりその妥当性を検証する。
  • 2005年4月 - 2005年4月
    過去の都市直下地震時に埋立地等の軟弱地盤では液状化や側方流動が生じ,杭基礎は図1(a)のような杭頭移動を伴う曲げ座屈を生じる可能性が示されている。このような杭の崩壊挙動は上屋構造の慣性力,曲げ変形による偶力,そして基礎梁による回転拘束等,様々な要因に支配される。しかし,杭の崩壊による構造物全体の損傷を検討した研究は見受けられない。そこで,本研究では,図1(a)に示すような上屋構造の影響を考慮した鋼管杭を対象とし,杭の崩壊挙動の一つである曲げ座屈に着目し,その崩壊メカニズム及び設計荷重の評価を検討する。