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2010年4月 - 2010年4月

最新の予測強震動による液状化地盤において杭基礎の崩壊による高層建築物の倒壊の可能性の検討


高層建築物が乱立する都市部埋立地の地盤は極めて軟弱であり,地下数十mにまで達する杭基礎を必要とする。このような細長い杭基礎の耐震設計では,地盤による杭の水平変形拘束に期待し,杭の曲げ座屈の可能性は検討されていない。しかし,激震時に地盤の液状化が生じ,急激に地盤の水平抵抗が低下すれば,水平抵抗を失った杭基礎では曲げ座屈が生じ,さらに杭の鉛直支持力の喪失,上屋構造である高層建築物の倒壊へと展開する可能性がある。本研究では,これまで研究事例のない杭基礎の崩壊による上屋構造の連鎖的な倒壊現象を明らかにし,特に高層建築物の被害を予測する。さらに杭基礎の性能設計法を示し,安全性の高い構造システムを提案する。