大嶋 仁

東京大学大学院比較文学比較文化専修課程において小林秀雄の思想を人類史的観点から規定して以来、近代における日本思想と日本文学を世界史的文脈で位置づける仕事をしてきた。それと同時に、視野を広げ、古代から近代に至る日本思想と文学の伝統にも目をむけ、日本文化の総体を一貫したシステムとしてとらえることに腐心している。最近では、東アジアの文明圏において国家としてではなく列島としての日本を多角的に考え、そこに多文化主義を応用して、新しい日本文化論を打ちたてようとしている。さらに最近は海外の研究者と協力して、人類にとっての文学の意味という大きなテーマにも挑んでいる。