2018年1月
ニュー・パブリック・マネジメント(NPM)が政官関係に影響を与えたか否か : ピーター・オーコインのニュー・ポリティカル・ガバナンス(NPG)仮説
亜細亜法学
- 巻
- 52
- 号
- 2
- 開始ページ
- 366
- 終了ページ
- 331
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 亜細亜大学法学研究所
カナダの行政学者ピーター・オーコインは、ニュー・パブリック・マネジメント(NPM)がウェストミンスター諸国を中心とする国際的な潮流として認識され始めた1990年の論文で、NPMの基礎となる2つ発想の1つである公共選択論は、政治家が職業公務員に対する影響力を強めようとする方向の改革を強調するという見解を示していた。そして、彼の死後の2012年に公表された論文では、NPMにより、政治家による職業公務員に対する介入が強まったとして、この現象をニュー・ポリティカル・ガバナンス(NPG)という概念で把握しようとした。<br />
本稿では、オーコインの1990年論文、2012年論文及びその査読意見を通じて、NPG概念が、NPM型の行政の開始以後の政治・行政に妥当するのか、そして、この概念が、今後の政治・行政の分析や制度・運用設計に対し有用性があるのかについて検討している。
本稿では、オーコインの1990年論文、2012年論文及びその査読意見を通じて、NPG概念が、NPM型の行政の開始以後の政治・行政に妥当するのか、そして、この概念が、今後の政治・行政の分析や制度・運用設計に対し有用性があるのかについて検討している。