共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

TERTは甲状腺癌の予後推測・治療方針決定のマーカーとなりうるか?

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K09804
体系的課題番号
JP16K09804
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円
資金種別
競争的資金

TERT mRNAと甲状腺乳頭癌の予後
TERTは正常な体細胞では発現が認められないが、TERTプロモーター変異により転写因子の新たな結合領域ができることでTERTの転写が活性化されると考えられている。この変異の有無とmRNAの発現量との関連を検討したところ、全ての変異陽性PTC症例でmRNAの発現を認めた。しかし変異陰性症例の中にもmRNAが発現している症例があることがわかった。さらにこれらの症例はmRNA発現陰性症例と比較して無病生存が有意に短いことがわかり、TERT mRNA発現もPTCの新たな分子マーカーとして有用である可能性が示唆された(論文投稿中)。さらに興味深いことに、TERT変異は年齢と非常に強い相関があることがわかっていたが、上述した変異陰性TERT mRNA高発現症例はむしろ若年者に多く、予後予測マーカーとして高齢者ではTERT変異、若年者ではTERT発現が有用であることが示唆された。
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TERTプロモーター領域におけるDNAのメチル化とmRNAの発現
近年、癌におけるTERTの発現亢進に関する新たなメカニズムとしてゲノム再編成やプロモーター領域のメチル化、遺伝子増幅が報告されている。TERTプロモーター変異が検出されなかった症例のうちmRNAの発現を認めた症例ではこの領域のDNAのメチル化がTERTの発現亢進に関与しているのか検討したところ、発現量の高い症例でこの領域の高メチル化を確認した。現在、メチル化と悪性度、予後との関連を検討中である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K09804
ID情報
  • 課題番号 : 16K09804
  • 体系的課題番号 : JP16K09804