2019年10月
飛蚊症で発症した眼結核症の2例
結核
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- 巻
- 94
- 号
- 10
- 開始ページ
- 497
- 終了ページ
- 502
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本結核病学会
眼結核症は稀であるが、診断の遅れで失明に陥る重要な疾患である。飛蚊症で発症し、眼結核症と診断された2症例を経験したので報告する。症例1は50歳女性。両眼の飛蚊症を自覚し、近医を受診。ぶどう膜炎を指摘され、当院眼科でツベルクリン反応(ツ反)の陽性、インターフェロンγ遊離試験(Interferon-gamma release assay:IGRA)陽性と判明して当科に紹介された。胸部単純X線写真で右肺に粒状陰影を認め、喀痰培養で結核菌を検出し、肺結核および結核性網膜炎と診断された。症例2は37歳女性。右眼飛蚊症を自覚し、近医を受診。網膜血管炎を指摘され、当院眼科でツ反の陽性およびIGRA陽性と判明して当科に紹介された。胸部単純X線写真で右肺に粒状影を認め、喀痰塗抹Gaffky 1号、喀痰培養で結核菌が検出され、肺結核および結核性網膜炎と診断された。2症例ともA法による抗結核治療を行い、症例2ではステロイド眼内注射と網膜光凝固治療を追加して眼所見の改善を認めた。原因不明のぶどう膜炎は眼結核症も鑑別に挙げIGRAを積極的に行い、眼科と呼吸器内科が密に連携して早期診断に努めることが重要である。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0022-9776
- 医中誌Web ID : TA25350004