論文

2017年4月

D-dimerを用いた外傷後静脈血栓塞栓症の新たなスクリーニング基準に関する検討

日本救急医学会雑誌
  • 井山 慶大
  • ,
  • 猪熊 孝実
  • ,
  • 佐藤 俊太朗
  • ,
  • 山野 修平
  • ,
  • 田島 吾郎
  • ,
  • 平尾 朋仁
  • ,
  • 田崎 修

28
4
開始ページ
134
終了ページ
144
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本救急医学会

【目的】重症外傷患者では血液凝固系の異常を来し、受傷直後からD-dimerが高値で推移するため、血栓の指標となるD-dimerの基準値は確立していない。そこで我々は、静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)を早期に発見するため、外傷患者においてD-dimerを用いたスクリーニング基準の有用性を検討した。【対象】2011年から2015年までの間に当センターに入院となった外傷患者455例を対象とした。VTE予防として、入院時より可能な限り全例に対して間欠的空気圧迫法を施行した。当センターのVTEスクリーニング基準は「受傷後5日目以降において、D-dimerが3測定日連続して増加、かつ15μg/mL以上」と設定した。スクリーニング基準を満たした症例に対して造影CTを施行し、VTEの有無を評価した。【結果】観察期間中108例がスクリーニング基準を満たし、そのうち、延べ73例で造影CTが施行され、34例をVTEと診断した(陽性率46.6%)。スクリーニング基準は在院7日(中央値)で満たし、造影CTは10日で施行された。診断時、全例でVTEによる症候を認めなかった。一方、基準を満たさなかった347例全例においても、その後症候性のVTEを認めなかった。【結語】本スクリーニング基準により外傷後のVTEを効率的に検出することができ、この基準は日常診療の参考所見となりうる。(著者抄録)

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