2010年4月 - 2014年3月
ミクロ環境史の復元手法による北極圏における温暖化の先住民社会への影響分析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
中低位度地帯と比べて温暖化の高い指標が見られる北極圏において、先住民社会の文化・社会システムに着目し、近過去から現在の環境変動がどのような影響をもたらしているのかを分析した。その結果、内陸部の大河川流域(レナ川)にあっては、湿潤化が進み、春の融氷雪洪水および夏の降雨洪水が増加しており、このことは従来春の融氷洪水を前提にした牧畜生業に危機をもたらしていた。一方、海岸部(アラスカ沿岸)は乾燥化が進み、また従来から低地・氾濫原の利用は限定的のため深刻な被害はでていないことが判明した。気候変動の地域研究においてはミクロ環境における自然―社会の相互作用を学際的に調査分析することが有効であることを示した。
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- 課題番号 : 22310148
- 体系的課題番号 : JP22310148