共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

革新的バイオマーカー分析を柱としたシアノバクテリア・真核生物出現時期の制約

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H02013
体系的課題番号
JP19H02013
配分額
(総額)
17,550,000円
(直接経費)
13,500,000円
(間接経費)
4,050,000円

本年度は新たに偏光顕微鏡を導入して研究遂行の基盤を整えるとともに、既存試料の酸分解で得られた太古代微化石の回収と分類、予察的分析を行なった。また9月に研究代表者と研究分担者3名の計4名による西オーストラリア・ピルバラクラトンでの調査を行なった。回収した微化石と野外調査とその成果について概要を以下に述べる。
1)回収微化石
技術補佐員を12月から投入し、ファレル珪岩層について2地点から採取した既存試料計100g以上を処理した。酸分解抽出した微化石の総数は推定5000個に及ぶ。またこの回収作業に伴って、数百個のフレキシブルな膜からなる大型球状微化石、ダンベル状、シート状、鎖状等多様な結合様式のレンズ状微化石標本を得ることができ、その一部については永久プレパラートを作成した。大型球状微化石についてはラマン分光分析を行い、コンタミネーションの可能性を排除した。また電子顕微鏡観察によって厚い皮膜、薄い皮膜それぞれで特徴付けられる2タイプがあることが確認できた。
2)野外調査とその成果
野外調査では、微化石産出地点である、ゴールズワージー緑色岩帯のファレル珪岩層、スティルリー・プール層、パノラマ緑色岩帯のスティルリー・プール層の再調査を行った。いずれの地点でも含微化石チャートを複数個採取し、薄片を作成した。その結果抽出作業に供するに十分な微化石を含んでいることがわかった。また既存試料に隕石衝突の痕跡(衝突球体)が認められた層準でも試料採取を行った。その結果、ファレル珪岩層では衝突球体の再発見は叶わなかったが、衝突変成を受けたと考えられるジルコンを大量に含む部位を見出した。またはゴールズワージー緑色岩帯のスティルリー・プール層で衝突球体を発見した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H02013
ID情報
  • 課題番号 : 19H02013
  • 体系的課題番号 : JP19H02013