共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

予後不良肺腺がんの分子メカニズムの探究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K07020
体系的課題番号
JP18K07020
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

本研究の目的は予後不良な肺腺がんの病理学的特性を明らかにし、その分子メカニズムを解明することである。2018年度においては以下の研究が遂行された。
肺腺癌3例の凍結検体から微小乳頭状組織亜型とそれ以外の組織亜型の成分をレーザーマイクロダイセクションで切り分け、RNAを抽出し、マイクロアレイを用いたmRNA網羅的発現解析を行った。微小乳頭状組織亜型において共通して発現上昇あるいは低下していた分子を選抜し、定量的RT-PCRによって、これらの発現変動を検証した。さらに、外科材料(微小乳頭状組織亜型成分を伴うEGFR 肺腺がん37例、微小乳頭状組織亜型成分を伴わないEGFR 肺腺がん44例、EGFR 陰性の肺腺がん33例)の凍結検体からRNAを抽出し、定量的RT-PCRにより検証を行った。
アレイによる解析では微小乳頭状組織亜型とそれ以外の組織亜型との間に共通して3倍以上の変動がみられたものは4個(発現上昇2個、発現低下2個)であった。これらについて定量的RT-PCRを行った結果については、いずれもマイクロアレイで得られた結果と同等の結果であった。微小乳頭状組織亜型成分を伴うEGFR 肺腺癌19例、微小乳頭状組織亜型成分を伴わないEGFR肺腺癌17例、EGFR陰性の肺腺癌18例について、施行した定量RT-PCRでは1つの遺伝子(細胞成長、発生に関わるプロテインキナーゼファミリー)について微小乳頭状組織亜型成分を伴うEGFR 肺腺癌での発現量が、微小乳頭状組織亜型成分を伴わないEGFR 肺腺癌に比べて高い傾向がみられた。微小乳頭状組織亜型成分を伴うEGFR 肺腺癌、微小乳頭状組織亜型成分を伴わないEGFR 肺腺癌についてついて免疫組織化学的によって蛋白発現を検討したが、細胞接着、極性に関わる1つについて微小乳頭状組織亜型成分を伴うEGFR 肺腺癌において微小乳頭状組織亜型成分を伴わないEGFR 肺腺癌と比べて強く染色される部分がみられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K07020
ID情報
  • 課題番号 : 18K07020
  • 体系的課題番号 : JP18K07020