共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

グラフの距離拡張性を用いた因子問題の研究

文部科学省・日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

課題番号
20K03723
体系的課題番号
JP20K03723
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

本年度は、主にフラーレンに関連するグラフにおいて研究成果が得られた。その結果について以下に述べる。
3-連結3-正則平面グラフで、全ての面の大きさが5もしくは6であるものはフラーレングラフと呼ばれ、全ての面の大きさが4もしくは6であるものは(4,6)-フラーレングラフと呼ばれる。フラーレングラフにおける完全マッチング(1-因子)はフラーレンにおけるケクレ構造に相当するため、特に注目すべき研究対象となっている。
Gをフラーレングラフもしくは(4,6)-フラーレングラフとし、MをGにおける完全マッチングとする。Gの六角形面でMの辺をちょうど3本含むものはM-交互的と呼ばれる。また、Gの点素な六角形面の集合Hで、いずれの面もM-交互的となるような完全マッチングMが存在するとき、Hはresonantパターンであると呼ばれる。
先行研究において、頂点数が60より大きい任意のフラーレングラフは3つの面からなるHでresonantパターンでないものを持つことが得られている。そのため、既存のresonantパターンの研究の多くは|H|が3以下のものに関して行われていた。しかしながら直感的には、頂点数が非常に大きいフラーレングラフにおいては、|H|が大きくてもresonantパターンとなるものが多数存在すると推測される。本研究では、手始めとしてフラーレングラフよりも扱いやすい(4,6)-フラーレングラフについて調査を行った。その結果として、任意の自然数kに対して、頂点数が十分大きい(4,6)-フラーレングラフにおいては|H|=kとなる点素な六角形面の集合Hのほとんど全てがresonantパターンとなることが得られた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03723
ID情報
  • 課題番号 : 20K03723
  • 体系的課題番号 : JP20K03723